Dpa、「ダビング10」に関する運用規定改定案を策定
社団法人デジタル放送推進協会は、デジタル放送のコンテンツ保護方式が現在の「コピーワンス」から「ダビング10」へ移行することを受け、ARIB技術資料の改定案を発表した。
社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)は2月7日、デジタル放送のコンテンツ保護方式が現在の「コピーワンス」から「ダビング10」へ移行することを受け、ARIB技術資料の改定案を発表した。
対象となるのは、ARIB技術資料「TR-B14」および「TR-B15」のうち、デジタル放送の番組特定情報(PSI)やコンテンツ保護の運用を規定した部分。エンコーディングルールに「個数制限コピー可」(ダビング10)を追加し、基本的な運用ルールを規定する。
まず、ダビング10(個数制限コピー可)運用の可否は、コピー制御情報に含まれるコンテント利用記述子(関連記事)のcopy_restriction_modeを用いて指定する。コンテント利用記述子が存在しない場合のデフォルトも「個数制限コピー可」だ。
ただ、放送局などの編成チャンネル情報を持つSDT(Service Description Table)や番組名・放送日時などを記述するEIT(Event Information Table)にはコンテント利用記述子を配置しないため、ユーザーはEPG(電子番組表)の画面を参照しても、その番組が「ダビング10」で放送されるのかを知ることはできない。
レコーダーなどの受信機(HDD)にダビング10の番組を録画する場合、制御信号のフラグは「1世代のみコピー可/個数制限コピー可」。記録したコンテンツは9個までのコピーが可能で、9回コピーした後はムーブとなる。一方でリムーバブル記録メディアに録画する際は「1世代のみコピー可」。これは現状で「個数制限コピー可」に対応するコンテンツ保護方式がないためだ。
アナログ映像出力に関しては、CGMS-Aおよびマクロビジョンで制御を行い、「1世代のみコピー可」として出力する。またデジタル音声出力はSCMSにより「1世代のみコピー可」として出力することなどが規定された。
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