春のフルHDビデオカメラ選択術:+D Voice
家庭用ビデオカメラもフルハイビジョン録画が当たり前になりつつあるが、どのメディアに記録するかはまだまだ決定打がない状態。手持ちのAV機器との親和性を考えて製品選択をするのも悪くない。
お手軽アンケートツール「Quick Poll」、今回のお題は「ハイビジョンビデオカメラ、選択のポイントは?」。「記録メディア」「録画可能時間」「撮像素子の画素数」「ボディサイズ」「フルハイビジョン録画」という5項目を用意してみたが、「記録メディア」と「フルハイビジョン録画」を重視するという意見が双璧だった。
新入学や運動会といった子どもに関連するイベントの撮影に多用されることから、「イベントカメラ」という呼び方もある家庭用ビデオカメラだが、昨年秋のモデルは「ハイビジョン」をうたいながら1440×1080録画の製品が多かった。しかし、今春の新機種はほとんどすべてが1920×1080のフルハイビジョン録画に対応してきた。今春の新機種から製品を選ぶならば、フルハイビジョン録画はほぼサポートされていると考えていいだろう。
もうひとつの「記録メディア」だが、これはなかなか悩ましい。少し前ならばDVテープ(ミニDVテープ)/DVDをメディアに利用するHDV方式か、さまざまなメディアにMPEG-4記録が可能なAVCHD方式かという選択が先にたったが、現行のフルHD録画可能機はほとんどがAVCHD方式を採用しており、その上で、HDDかDVDか内蔵メモリか、メモリーカードかという選択肢が用意されている。
どのメディアを選ぶかはまだ一長一短。HDDならば長時間録画が可能だが重量がかさみ、DVDならば保存は手軽だが録画可能時間は短い。内蔵メモリ/メモリーカードのモデルはコンパクトだが、録画したデータを利用する(持ち出す)際には若干の手間がかかる。
各社もこの「一長一短」の解決には心血を注いでおり、今春のモデルは複数の記録メディアに対応した製品が目立つ。内蔵メモリ/8センチDVD/メモリースティックのトリプル対応としたソニーの「HDR-UX20」や、内蔵メモリ/SDメモリーカードのキヤノン「HF10」、HDD/SDメモリーカードのパナソニック「HDC-HS9」のほか、現時点で唯一のBlu-ray Discカメラである日立製作所の“ブルーレイカムWooo”も第2弾の「DZ-BD9H」が登場している。
利用したいシーンや利用頻度によって、人それぞれどのメディアを選択するかの基準は異なってくるが、AVCHDで録画したHD映像はまだまだ取り扱いに面倒な部分が残っているのも確か。メモリーカードスロットを備えAVCHD映像の再生に対応した薄型テレビを持っているならばパナソニック製品、Blu-ray Discプレーヤーを持っているならばブルーレイカムなど、手持ちのAV機器とどのような親和性を持っているかで製品を選ぶのも手だろう。
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