今度のiPod nanoは「レインボー」カラバリ、iTunesの新機能も
ここ数年恒例になっている秋のAppleスペシャルイベント。今回はiTunesとiPod3製品についてのアップデートが発表された。
米Appleのスペシャルイベントが、今年も9月9日に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された。このイベントはここ数年秋に開催されているもので、iTunesやiPodなど音楽関連の新製品を紹介するものとなっている。ここでは超速報と題して、イベントの様子をちょっとだけ速報で紹介しよう(→詳報)。
ジョブズは生きていた
スペシャルイベントのプレゼンターを務めるのは、やはりCEOのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏。この人がいなければAppleのイベントは始まらない。だが今年夏には健康問題が繰り返しささやかれ、ついにはある通信社の誤報で同氏の死亡を伝える記事まで飛び出す始末。登場したジョブズ氏は健在な姿を見せつつ「みんな私の死亡記事で騒ぎすぎだ」とのあいさつでイベントをスタートさせた。
今回アップデートされたのはiTunesとiPod3機種。iTunesはメジャーアップデートされ「iTunes 8」となり、アーティスト別やジャンル別などコンテンツのブラウズ機能が進化したほか、新たに「Genius」という機能が追加された。
Geniusは自身の保有する楽曲ライブラリから自動でプレイリストを作成する機能で、クリック一発でライブラリにマッチしたプレイリストが自動生成される。作成されるプレイリストはランダムではなく、iTunesのサーバに蓄積された各種データを基にしている。iTunesを使用するユーザーの活動データを収集し、それに基づいてプレイリスト候補を表示する形だ。ジョブズ氏によれば、データの収集にあたっては匿名を守り、ユーザー個人が判別されるようなな仕組みにはなっていないと説明する。
レインボーカラーで登場の新型iPod nano
iPod関連では3つの製品カテゴリでアップデートが行われている。1つはiPod Classicで、厚型と薄型の2つのバリエーションのうち、厚型のほうを廃し、薄型のほうのHDD容量を80Gバイトから120Gバイトへ増量している。価格は249ドルで据え置きだ。
そして今回の目玉は完全に刷新されたiPod nanoだ。
第4世代にあたるiPod nanoは、第1/第2世代に近い縦型のデザインへと変更された一方、液晶パネルのサイズは前世代にあたる第3世代と同様のサイズをキープしており、動画コンテンツや写真、楽曲のアルバムなどを大きな画面で楽しむことができる。筐体は全体に薄く、画面を含め全体にカーブがかかったようなデザインだ。
そしてもう1つの特徴は加速度センサーの搭載で、この搭載によって傾きや揺れを検知することが可能になった。つまり、通常は縦置きで音楽を選択しているところを横に傾けると、CoverFlowが出現するようになる。また楽曲の再生中に筐体を振ると、シャッフルモードへ移行する機能もある。そのほか「nano-chromatic」という名称で、レインボーカラーに準じた8つと、PRODUCT(RED)の合計9つのカラーバリエーションが用意されているのも特徴といえる。
3つめのアップデートはiPod touchだ。画面サイズは基本デザインはほぼそのままで、筐体がやや薄くなっている。特筆すべきはボリュームコントロールのための専用キーが追加されたことと、簡易スピーカーを内蔵したことだ。スピーカーは簡易的なために「音楽をきれいに再生する」というクォリティはないものの、複数人で音楽やサウンドを楽しむには最適だ。またソフトウェアも2.1にアップデートされており、2.0からのアップデートを望むユーザーは無料で最新バージョンへと更新できる。
このほか、リモートコントロール機能のついたイヤフォン「Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic」が新アクセサリーとして紹介された。販売開始は10月が予定されている。
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