Blu-ray Discは人生を変える:CEATEC JAPAN 2008(2/2 ページ)
規格争いが終結し、「新世代光ディスク」となったBlu-ray Disc。CEATECで行われたBDAのカンファレンスで司会の麻倉氏は「BDで人生が変わった」と報告した。
ディスカッションでは規格戦争が終結して状況に変化はあったか?という麻倉氏の質問に対し、「東芝さんにはぜひBDAに加入して頂きたい」とパナソニックの小塚氏が述べたほか、ディズニーの高橋氏は「(2つの規格があると)消費者としてはどちらを選ぶかという状態にあったずで、その不安がなくなったのは大きい。それに流通関係者も安心して扱い、販売できる状況になったことはよいことだと思う」と意見を述べた。
複雑な心境を明らかにしたのは、アニメーション監督の森田氏。自身の作品「FREEDOM」がHD DVD(DVDとのツインフォーマット)で販売されたものの、最終巻はDVDのみの販売となってしまった事例を挙げ、苦笑混じりに「ショックでした」と。しかし、「今後そうしたことがないよう、規格は統一されたほうがいい」とパッケージを購入するユーザーの立場からも統一を歓迎するとコメントした。
また、高橋氏と森田氏はインタラクティブ性やネットワーク機能など“BDならでは”の部分に対する期待も述べた。「BD-LIVEはイコールゲームと思われている面もあるが、それを越えるサービスを提供していきたい」(高橋氏) 「アニメーションは作る際に、途方もないモノが裏側に込められているので、作品が生まれる前のドラマを引き出せるようなモノがあれば面白いかもしれない」(森田氏)
CEATECの会場では立体映像に関する展示も目立ち、パナソニックは専用BDプレーヤー用いた3Dシアターシステムを展示しているが、小塚氏によれば「BDAとして3Dをやるという話はない」そうだ。「映画館が3D上映を行いたいという流れが見えており、“映画を家庭で”という考えをわたしたちが持っている以上、なんらかの方法で家庭内3Dを実現したいと考えている。今は、その一手段としてBDを使うことを提示している段階です」(同氏)
ディスカッションの最後には、麻倉氏から「“全国民BD化”への課題は?」という質問が出された。
「“映画を見る”ことに軸を置きながらBDで何でもできるようにしたい。そのためにはいろいろな機能を(BDへ)入れていくし、楽観してる」(小塚氏)
「パッケージの良さを保ちながら配信とも融合できるBD-LIVEに力を入れていく。これまでは見るだけだったが、チャットなど双方向の仕組みも入れて行けたらとイメージしている」(横田氏)
「まだBDの良さは広く伝わっていないと思う。まずは啓もうが大切では。日本はレコーディングマーケットですが、“BDで映画”を分かってもらうのが大切だと思う」(高橋氏)
「日本は世界有数のハイビジョン大国で、そこで成り立つメディアはBDだけ。今足りないのは体験の場所。凄さを体感できる機会が増えれば」(泉氏)
「BD化すると作り手としては大変なことが増えるが、監督としては“ゾクッ”とさせる世界観を伝える手段として歓迎したい」(森田氏)とそれぞれの考えを述べた。
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