LEDバックライトに“W録”、東芝「REGZA」がほぼ全面リニューアル
東芝が液晶テレビ「REGZA」の新製品として、3つの“Z”シリーズを含む4シリーズ12機種を発表。ほぼ全面リニューアルとなった。
東芝は4月7日、液晶テレビ「REGZA」(レグザ)の新製品として、3つの“Z”シリーズを含む4シリーズ12機種を発表した。先月リリースした省エネタイプの「C8000」、およびエントリーモデルの「A8000」を含め、合計6シリーズ22機種が2009年春のラインアップ。継続販売は、デザインコンシャスモデルの「FH7000シリーズ」のみという、ほぼ全面リニューアルとなった。
注目のZシリーズには、「Z7000」シリーズの後継にあたる「Z8000」、HDD内蔵の「ZH8000」にくわえ、同社初のLEDバックライトを搭載したハイエンドモデル「ZX8000」が登場した。いずれも光沢仕上げの「フルHDクリアパネル」を採用したほか、倍速駆動と黒挿入を組み合わせた「Wスキャン倍速」、進化した超解像技術「レゾリューションプラス2」など見どころが多い。また録画機能が初めて2番組同時録画の「おでかけW録」に対応。ネットワーク機能では、「テレビ版Yahoo!JAPAN」がメニューに追加された。(→REGZA史上“最強”、新Zシリーズ詳報)。
発表会で、あいさつに立った同社デジタルメディアネットワーク社テレビ事業部の大角正明事業部長は、「37V型〜42V型のシリーズ別販売構成比を見ると、Z/ZHシリーズがエントリーモデルより“はるかに”多く売れていることが分かる。画質やHDD録画が高く評価された結果」として、Zシリーズの好調さをアピール。フラグシップモデルの販売数量が多いことが同社の強みであり、積極的なラインアップ展開で「ユーザーの期待値を常に超え続ける」とした。「2009年秋には“Cellレグザ”を商品化する。ユーザーの期待に応える商品をどんどん出していきたい」(大角氏)。
シリーズのおよそ半分が“Z”となるに伴い、各シリーズの位置づけも微妙に変わった。これまで小型サイズだけだったAシリーズには32V型と26V型が追加され、中型までを含むベーシックモデルに格上げ。「従来のCシリーズのような位置づけになった」(同社)。そのC8000シリーズは、既報の通り低消費電力の倍速モデルとなり、今回新たに共通プラットフォームの録画モデル「H8000」シリーズが加わった。H8000シリーズは、300GバイトのHDDを内蔵しているほか、従来機のe-SATAに代えてUSB接続の外付けHDDが増設できるようになった。
各シリーズの詳細は以下の通り。なお、Z/ZH/ZX8000シリーズの詳細については、別記事を参照してほしい。
A8000シリーズ(追加モデル)
既発表の19V型/22V型にくわえ、26V型の「26A8000」と32V型の「32A8000」を新たにラインアップしたスタンダードシリーズ。どちらも1366×768ピクセルのVAパネルを採用し、地上デジタル、BSデジタル/CS110度デジタル、地上アナログのチューナーを搭載する。HDMI入力は2系統。
製品型番 | 26A8000 | 32A8000 |
---|---|---|
画面サイズ | 26V型 | 32V型 |
チューナー | 地上デジタル×1、BSデジタル/CS110度デジタル×1、地上アナログ×1 | |
倍速駆動 | なし | |
録画機能 | なし | |
自動画質調整 | おまかせドンピシャ高画質 | |
HDMI入力 | 2系統 | |
実売想定価格 | 11万円前後 | 12万円前後 |
発売時期 | 4月25日 |
H8000シリーズ
先月リリースした“エコREGZA”こと「C8000」にHDDを追加した録画モデル。新たに32V型/37V型にも120Hz駆動の「倍速・モーションクリア」を搭載したほか、「おまかせドンピシャ高画質」、InstaPort対応のHDMI端子などスペックの底上げを図っている。また、外付けHDDのインタフェースは、「熱いご要望に応えて」(同社)従来のe-SATAからUSBに切り替えた。2番組同時録画には対応していない。HDMI入力は4系統。
製品型番 | 32H8000 | 37H8000 | 42H8000 |
---|---|---|---|
画面サイズ | 32V型 | 37V型 | 42V型 |
チューナー | 地上デジタル×2、BSデジタル/CS110度デジタル×2、地上アナログ×1 | ||
倍速駆動 | 倍速モーションクリア | ||
録画機能 | 300GバイトHDD内蔵、USB接続の外付けHDD対応 | ||
自動画質調整 | おまかせドンピシャ高画質 | ||
HDMI入力 | 4系統 | ||
実売想定価格 | 18万円前後 | 25万円前後 | 30万円前後 |
発売時期 | 5月下旬 | 6月上旬 | 5月下旬 |
Z8000シリーズ
同社では初めて光沢仕上げの「フルHDクリアパネル」を採用した新“Z”シリーズ。IPS方式の倍速駆動パネルに黒挿入を組み合わせた「Wスキャン倍速」、超解像技術の「レゾリューションプラス2」などで画質を向上させ、さらに録画機能(別途USB HDDかNASが必要)では2番組同時録画「おでかけW録」をサポート。ヤフーの新サービス「テレビ版Yahoo!JAPAN」「ひかりTV」「アクトビラ」、DLNAサーバ機能などネットワーク機能も充実している。HDMIは4系統。
製品型番 | 37Z8000 | 42Z8000 | 47Z8000 |
---|---|---|---|
画面サイズ | 37V型 | 42V型 | 47V型 |
チューナー | 地上デジタル×2、BSデジタル/CS110度デジタル×2、地上アナログ×1 | ||
倍速駆動 | Wスキャン倍速 | ||
録画機能 | USB接続の外付けHDD、LAN HDD(NAS)対応。おでかけW録 | ||
自動画質調整 | おまかせドンピシャ高画質・プロ | ||
HDMI入力 | 4系統 | ||
実売想定価格 | 27万円前後 | 32万円前後 | 37万円前後 |
発売時期 | 5月中旬 | 4月25日 | 5月上旬 |
ZH8000シリーズ
Z8000シリーズに300Gバイトの内蔵HDDを追加した録画モデル。ラインアップは47V型と55V型の2種類。Z8000とサイズは異なるが、同様のIPS方式フルHDクリアパネルを搭載している。
製品型番 | 47ZH8000 | 55ZH8000 |
---|---|---|
画面サイズ | 47V型 | 55V型 |
チューナー | 地上デジタル×2、BSデジタル/CS110度デジタル×2、地上アナログ×1 | |
倍速駆動 | Wスキャン倍速 | |
録画機能 | 300GバイトHDD内蔵、USB接続の外付けHDD、LAN HDD(NAS)対応。おでかけW録 | |
自動画質調整 | おまかせドンピシャ高画質・プロ | |
HDMI入力 | 4系統 | |
実売想定価格 | 40万円前後 | 50万円前後 |
発売時期 | 5月上旬 | 5月中旬 |
ZX8000シリーズ
LEDバックライトとエリア制御により、200万:1のダイナミックコントラストを実現したハイエンドモデル。またZシリーズの中で唯一ブーメラン型スタンドを採用しないなど、画質・外観ともにスペシャルな位置づけだ。画面サイズは46V型と55V型で、どちらもVA方式のクリアパネルを採用している。そのほかのネットワーク機能や録画機能(別途USB HDDかNASが必要)はZ8000/ZH8000シリーズと共通だ。HDMIは4系統。
製品型番 | 46ZX8000 | 55ZX8000 |
---|---|---|
画面サイズ | 47V型 | 55V型 |
チューナー | 地上デジタル×2、BSデジタル/CS110度デジタル×2、地上アナログ×1 | |
倍速駆動 | Wスキャン倍速 | |
録画機能 | USB接続の外付けHDD、LAN HDD(NAS)対応。おでかけW録 | |
自動画質調整 | おまかせドンピシャ高画質・プロ | |
HDMI入力 | 4系統 | |
実売想定価格 | 50万円前後 | 60万円前後 |
発売時期 | 6月下旬 | 7月上旬 |
余談
今回の新製品発表会は、「ららぽーと豊洲」内にあるシネマコンプレックス「UNITED CINEMAS」のスクリーンを貸し切るという斬新なスタイルで行われた。開幕を告げるブザーに始まり、大画面に映し出される“どこかで見たようなロゴマーク”、予告編っぽい製品紹介映像など、随所に映画ライクな演出。同社の意気込みを感じさせた。
会場名 | UNITED CINEMAS 10番スクリーン |
---|---|
画面サイズ | とても大きい |
駆動方式 | DLP Cinema&ヤマハ音響システム(本当) |
収容人数 | 423人(6組12席のプレミアム・ペアシートを装備) |
レンタル費用 | 非公開 |
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