ジェイソンがよみがえる!――「13日の金曜日−FRIDAY THE 13TH−」:本山由樹子の新作劇場
スラッシャー映画のさきがけとなった「13日の金曜日」がお約束満載、(なぜか)エロ度もアップして復活。
13日の金曜日−FRIDAY THE 13TH−(Blu-ray Disc)
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
1980年代スラッシャー映画の代表“13金”のリメイク版「13日の金曜日−FRIDAY THE 13TH−」がスペシャル・コレクターズ・エディションとしてパラマウント ジャパンよりBlu-ray Disc化される。特典は「新生ジェイソン」、「13日の金曜日」の変遷、削除シーンを収録。BD−LIVEにも対応している。
リメイクだが、物語は完全オリジナル。30年前のジェイソン誕生の概略(キャンプ場のクリスタル・レイクで溺死しかけた息子ジェイソンの恨みを晴らすため、母親が殺人鬼と化して若者たちを次々と血祭りに)が冒頭で紹介された後、舞台は現代のクリスタル・レイクへ。若い男女5人がこの地にやってくるが、母親の遺志を受け継いだジェイソンにより4人は惨殺され、女性1人が行方不明になる。6週間後、行方不明となった女性の兄は、クリスタル・レイク付近を捜索。同じ頃、同じ別荘地にいた若い男女6人がジェイソンに狙われていた……。
本作を手掛けたのはマイケル・ベイ監督(「トランスフォーマー」)が主催するホラー専門プロダクション、プラチナム・デューンズ。「悪魔のいけにえ」「ヒッチャー」など1970〜80年代の古典ホラーのリメイクを多く手掛けてきたことで知られている。監督は「悪魔のいけにえ」をリメイクした「テキサス・チェーンソー」のマーカス・ニスペル。撮影にダニエル・パール、音楽にスティーヴ・ジャブロンスキーと「テキサス・チェーンソー」組が再集結している。
ジェイソンが木陰などから獲物を狙い、彼目線でカメラがうごめくという演出はオリジナルのまま。悪ふざけやドラッグに走るなど、ジェイソンに狙われても仕方がないと思わせる若者たちのおバカぶり、自業自得ぶりも昔のままである。マイケル・ベイの趣味なのか、エロ度はやたらとアップしている。
グレードアップしているのはジェイソンの身体能力。音もなく移動し、気がつけば屋根にも上り、アーチェリーの達人でもある。ジェイソンは最初ボロ袋をかぶった姿で登場し、途中からホッケーマスクへ。実はホッケーマスクが出てくるのはシリーズ3作目からで、2作目ではボロ袋をかぶっている。往年のファンには思わずニヤリのネタだろう。
ラストももちろん続編をにおわせて終了。なぜかマンネリも許せるし、楽しいと思えるところが“13金”の魅力のようだ。なお、1980年のオリジナル版「13日の金曜日」もワーナー・ホーム・ビデオより8月26日にBlu-ray Disc化されるので、見比べてみてはいかがだろうか。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
関連記事
- 本山由樹子の新作劇場:ハリウッドで、かめはめ波――「ドラゴンボール EVOLUTION」
ご存知、鳥山明の人気コミックをハリウッド実写化。オープンマインドで、怖いもの見たさにどうぞ。 - 本山由樹子の新作劇場:ヴァンパイアと狼はなぜ戦うのか?――「アンダーワールド ビギンズ」
人気アクション・シリーズの起原を描いた第3弾。ケイト・ベッキンセールは特別出演だけど、世界観はシリーズを踏襲しており、かなりの拾いモノ! - 本山由樹子の新作劇場:息子が行方不明、戻ってきたら赤の他人だった!――「チェンジリング」
アンジェリーナ・ジョリーが信念を貫くシングルマザーを熱演。イーストウッドの骨太かつ精巧な筆致が光る傑作サスペンス・ドラマがBlu-ray Disc化。 - 本山由樹子の新作劇場:鏡の中に何かがいる!――「ミラーズ」
キーファー・サザーランドがジャック・バウアーなみの大暴走を見せるサスペンス・ホラーが7月3日にBlu-ray Discで登場。 - 本山由樹子の新作劇場 特別編:チェ・ゲバラからストーンズまで、今月のオススメBDはこの5本!
革命家 チェ・ゲバラの一生を描いた歴史ドラマやストーンズのライブドキュメンタリーなど6月発売の新作BDは渋めのセレクション。梅雨空を吹き飛ばしたいときは「マンマ・ミーア!」をどうぞ! - 本山由樹子の新作劇場:フィンチャーとブラピが3度目のコラボ――「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
80歳で生まれ、どんどん若返る人生……。「セブン」「ファイト・クラブ」とは180度違う異色ファンタジーが特典ディスク付きの2枚組で登場。 - 本山由樹子の新作劇場 特別編:スタートレックにトランスフォーマー、新作公開前にBDで予習!
今夏はスタートレックにトランスフォーマーなど、人気洋画の最新作が続々劇場で公開! 劇場へ足を運ぶ前に、BDで既存作品をしっかりチェックしましょう。 - 本山由樹子の新作劇場:「タイタニック」の2人が再共演――「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」
甘いラブストーリーではありません。独身の人が観たら勉強になり、倦怠(けんたい)期の夫婦が観たら間違いなく気まずくなるという、取扱注意そして必見の1本。 - 本山由樹子の新作劇場:007シリーズ初の続編――「007/慰めの報酬」
ダニエル・クレイグを6代目ボンドに迎え、より骨太に生まれ変わったシリーズ第22作目。今回はアクションのスケールが拡大! - 本山由樹子の新作劇場:興行収入155億円の大ヒット作――「崖の上のポニョ」
宮崎監督の大ヒット作が2枚組DVDで7月3日に登場(BDは12月発売予定)。世界に誇れる日本の宝、宮崎駿のイマジネーションあふれるファンタジーアニメは老若男女問わず必見。 - 本山由樹子の新作劇場 特別編:「ダ・ヴィンチ」から「X-ファイル」「バットマン」まで、洋画BDが面白い!
名前は聞いたことがあるけど……と未見の作品はありませんか? 書籍もヒットした「ダ・ヴィンチ・コード」やテレビシリーズで人気を博した「X-ファイル」の劇場版など、今月もおすすめBDを紹介します! - 本山由樹子の新作劇場:デジタルマスター版で初BD化――「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
第2弾「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破」の6月27日公開を前に、第1弾が5月27日にBlu-ray Disc化! - 本山由樹子の新作劇場:B級丸出しの殺人カー・レース――「デス・レース」
色っぽいお姉ちゃんのナビ付きで、マシンガンやロケットを搭載した改造車がぶつかり合う!極力CGを使わなかったというアクションを体感せよ! - 本山由樹子の新作劇場:現場主義のディカプリオ VS 内勤のラッセル――「ワールド・オブ・ライズ」
CIAの敏腕工作員と、本国アメリカにいる横柄な上司が、お互いを利用しながら無差別テロ犯を追う。リドリー・スコット監督のアクション大作が4月29日にBlu-ray Disc化 - 本山由樹子の新作劇場 特別編:「パコ」から「ソウ」、意外な拾いモノまで3月発売の要チェック新作BD
映画界で最近一番の話題といえば、「おくりびと」のアカデミー受賞。作品の公開はほぼ終了しているが、発売されるDVDなら家庭で楽しめる。見逃した作品、もう一度みたい作品をじっくり楽しめるのはパッケージのいいところ。それでは、今月発売のおすすめタイトルをどうぞ!
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.