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エンタープライズ号の門出を目撃せよ――「スター・トレック」本山由樹子の新作劇場

J.J.あんたはスゴかった。マニアとビギナーの両方が満足できる屈指のSF映画が早くもBlu-ray Disc化!

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スター・トレック(Blu-ray Disc)

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 ドラマ「LOST」や「クローバーフィールド/HAKAISHA」の仕掛け人として知られるJ.J.エイブラムスが監督を務めたSFアドベンチャー「スター・トレック」が11月6日に2枚組のスペシャル・コレクターズ・エディションとしてBlu-ray Disc化。

 特典はJ.J.エイブラムス監督&ブライアン・バーク&アレックス・カーツマン&デイモン・リンデロフ&ロベルト・オーチーによるオーディオ・コメンタリー、新たなビジョン、NG集、削除シーン、メイキング集(人類未踏の地へ/キャスティング/異星人/音楽)などを収録している。

 Blu-ray Discのみの特典も充実。宇宙船、惑星、小道具と衣装、ベン・バートとスター・トレックのサウンド、ジーン・ロッデンベリーのビジョン、劇場用予告編集のほか、エンタープライズ号内をツアーできるインタラクティブ機能「宇宙艦隊戦シュミレーター」、NASAからの最新の情報や写真をダウンロードできるBD-LIVE機能も備えている。

 「スタトレ」といえば、ご存知、熱狂的なファン(=トレッキー)の多いSFシリーズ。何せテレビシリーズだけでも5本、映画は10本もある。今回の映画は11本目だが、いわゆるシリーズの続編とは性格を異にし、「スタトレ」のことを知らなくても相当に楽しい仕上がりになっている。

 ここで描かれるのは、後にU.S.S.エンタープライズ号のキャプテンとなるカーク船長や、耳のとがったミスター・スポックがまだ青年のころの物語、つまり「エピソード0」。処女航海に出るエンタープライズ号のクルーになった彼らは、復讐の鬼と化したロミュラン人の標的となり、幾度となく危機にさらされる。

 シリーズではウィリアム・シャトナーが演じたカーク船長、レナード・ニモイが演じたスポックは、それぞれクリス・パイン(「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」)とザッカリー・クイント(「HEROES/ヒーローズ」)というヤングアクターが演じている。なおレナード・ニモイは未来のスポック役として出演。

 スポックは人間と地球人の間に生まれた混血ゆえに仲間外れにあい、アイデンティティを確立できずにいるなど、登場人物のキャラ立てが非常にうまく、それぞれの見せ場やバックグラウンドもきちんと用意されている。さすがJ.J.、「LOST」で培った大所帯の裁き方はお手のものだ。シップ・バトルやクリーチャーからのサバイバルなど、最新VFXシーンの迫力も申し分なし。もちろんファンだからこそ楽しめる小ネタやセリフもぎっしり。

 本作の成功は、監督自身が熱狂的なファンではないかわりに、脚本チームにはトレッキーを採用した点にある。設定にミスがないように注意を払った上で、初心者にもすんなりと入れるよう構築している。

 すでに続編の話が出ている新生スター・トレック、屈指のエンタメ作品として絶対外せない1本だ。

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