3D戦略を加速するパナソニック、中小型テレビやビデオカメラも
「パナソニックは、また一歩先にいった」。同社デジタルAVCマーケティング本部の西口史郎本部長は、“3D VIERA”新製品の発表会で自信を見せた。
「パナソニックは、また一歩先にいった」。Blu-ray 3D対応のBDドライブとHDDを内蔵した“3D VIERA”「RT2Bシリーズ」の発表会で、パナソニックAVCマーケティング本部の西口史郎本部長は胸を張った(→関連記事)。
他社に先駆けて3D対応テレビ“3D VIERA”(VT2シリーズ)を投入したのが今年4月。以来、画面サイズのバリエーション拡充を続け、多くの競合他社が製品を出荷するよりも前に2シリーズめを発表した。今回の発表により、パナソニックの“3D VIERA”は、2シリーズ合わせて6サイズ8機種となる。
西口本部長は、6月末から7月上旬に販売したテレビの画面サイズ別構成比を紹介しながら、「3Dテレビの登場が大画面化を後押しする」と指摘した。「2Dモデルだけだった昨年の年末商戦では、54V〜65V型の構成比は全体の7%にすぎなかった。しかし、今年は39%へ急上昇。3Dでは、臨場感をより感じられる大型テレビが支持されていることが分かった」(西口氏)。同時に、3Dテレビの登場がテレビの大画面化にも貢献しているという。
パナソニックでは、2010年度の3Dテレビ需要を50万台と予測しており、豊富なラインアップと録画対応を武器に占有率50%以上(25万台以上)のシェアナンバーワンを目指す。このためプロモーションも一新。TV CMのイメージキャラクターとして、新たにフリーアナウンサーの滝川クリステルさんを起用し、同社所属のプロゴルファー・石川遼選手とともに「強力ツートップ」(同氏)とする。
西口氏は、今後の製品展開についても、いくつかの方向性を明らかにしている。まず、42V型以上のテレビについては、一部の低価格モデルを除いてすべて3D対応にするという。また、中小型テレビの3D化についても、「3Dは大画面による臨場感が大事だが、ゲームなどパーソナルユースの3Dコンテンツに対する感心も高い。いずれは中小型の3Dテレビが必要になる」として、開発を進めていることを明らかにした。「商品化のタイミングは、業界動向を見て決めることになる」。
さらに、家庭用ビデオカメラの3D対応についても「多くの要望があるため、なるべく早いタイミングで投入したい。来週、ムービーの新製品発表を予定しているが、これは3D撮影が可能……かな?」と、早期の市場投入を示唆した。「ぜひご期待ください」(西口氏)。
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