BDからHDDへの書き戻し、AACSはもう一度検討すべき:CEATEC JAPAN 2010(2/2 ページ)
BDAの基調講演にAV評論家の麻倉怜士氏が登場。BDXLの登場やAACS規格の策定といった最新のトピックを取り上げ、持論を展開した。
BD-REの秘めた実力
そんな麻倉氏が最近気付いたのが、同じBlu-ray Discでも、メディアの種類と録画方法によって画質や音質に大きく差が生じることだ。とくにライトワンスのBD-Rより高価であまり注目されていないBD-REメディアだが、その隠れた実力が明かになったという。
「BD-RとBD-REに同じ番組を録画してみると、REのほうが画質も音質もいい。映像はベールが1枚とれたようで、音質ももっと差が出る」。
その理由をハードメーカーやメディアメーカーにたずねても頭をかしげるばかり。しかし、実際に横並び比較してみると、差は顕著に表れるという。さらに麻倉氏は、録画方法によって画質や音質が良くなるという研究成果も明かにした。
1. BD-RE直録り
2. HDD録画→BD-REにダビング
3. BD-R直録り
4. HDD録画→BD-Rにダビング
もっとも一般的に行われている「HDDからBD-Rへのダビング」は、実はクオリティー面ではもっとも劣るのだという。ただし、BD-RE直録りにすると、録画番組はコピーネバーとなり、せっかくのダビング10が生かせない。後でコンピレーションを作る際にも不便だ。
「解決策はダブルチューナーのBDレコーダーを購入して、同じ番組を同時録画すること。そうすれば、最高画質のBD-REとダビング10のHDD録画が残り、自由度が大きく向上する」。
殻付きディスクの救済を
BDエアチェックライフを満喫する麻倉氏には、AACSの仕様以外にもいくつかの提言があった。その1つが、市場にあるBDメディアに面白みが欠けること。VHS時代のように、メディアにも特定の用途に特化したコダワリの製品が必要だという。
「VHSのときのように“メディア使い”の楽しみを提供してほしい。DVDのときも、ソニーの『音匠』(おんしょう)仕様のようなメディアがあったが、BDでは見受けられない。ぜひ、BD-REの音匠仕様を作っていただきたい」。
もう1つは、Blu-ray Disc黎明(れいめい)期に登場した殻付きディスクについてだ。2004年頃、最初のBDレコーダーであるソニー「BDZ-S77」やパナソニック(当時は松下電器産業)「DMR-E700BD」で大量にエアチェックしたディスクを持つ同氏は、その後のBDレコーダーが殻付きディスクをサポートしないことに落胆したという。
「CSRを無視している。メーカーは、ユーザーのために殻付きディスクの救済をお願いしたい」(麻倉氏)。
歯にきぬ着せぬ麻倉氏の主張の数々。続きは、弊誌連載「麻倉怜士のデジタル閻魔帳」でどうぞ。
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