映画のフィルム特性まで再現するビクター「DLA-X7」で観るミュージカル「NINE」(ナイン):山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.54(2/2 ページ)
この2年間、JVCのD-ILA方式プロジェクターを使い継いできたが、この年末に登場した3D対応モデル「DLA-X7」をじっくりチェックしてみて、その2D画質の魅力がまた一段と飛躍したことを確認し、大きな衝撃を受けた。うーん、3年連続?
実際に映画のBD ROMを『フィルム1』(コダック用)『フィルム2』(フジ用)モードで何枚か観てみたが、DLA-HD950で気になっていたクセっぽさが払しょくされ、よりいっそう好ましいフィルムルックが実現されていることが確認できた。とくに気になっていたクセっぽさとは、曇り空のような明るめのグレーにマゼンタがのること、そしてもう1つは画面内で人物などが動いたときに生じる疑似輪郭。それがどちらもが気にならないレベルに抑えられているのだ。なるほど、これだけでもDLA-X7のDLA-HD950に対するアドバンテージは大きいと思った。
Blu-ray Disc「NINE スペシャル・エディション」は2940円で販売中。発売・販売元は角川映画。(c)2009 THE WEINSTEIN COMPANY. ALL RIGHTS RESERVED.
いくつか観た映画BDのなかでとりわけ楽しかったのが、2009年のミュージカル映画「NINE」。フジフイルムでプリントされたこの作品、カラープロファイルとガンマモードを『シネマ2』に設定して観たが、ペネロペ・クルス、マリオン・コティヤール、ケイト・ハドソン、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレン、ジュディ・デンチといった1960年代から2000年代を代表するようなきら星のようなスター女優の美しい横顔を、思わずハッとさせるような鮮烈さで描き分けていくのだ。また、ガンマモード『フィルム2』のほうが『フィルム1』よりも暗部階調がきめ細かく表現されるのも確認できた。
ところで、「この映画に使われたフィルムはコダック? フジ?」という疑問を多くの方がお持ちになると思うが、そこでぜひ参照していただきたいのが、米国のWebサイト「IMDb
それから、もう1つぜひ触れておかなければならないのが、本機の3D画質のすばらしさ。DLA-X7の3D再生画質は、その明るさ、クロストーク(二重像)の少なさで、ライバル機を大きく陵駕していると思う。JVCのD-ILA機は、2006年の「DLA-HD1」以降デジタル駆動法が採られているが、本機DLA-X7はフレームシーケンシャル方式3D BD ROMを、そのデジタル制御ならではの3Dプラズマ機によく似た面書き換え表示で、120Hz駆動ながらじつにスムーズに明るく見せるのである。
パナソニックが同社製3D表示機器オーナーに提供している3D BD ROM 「アバター」を、とりわけ明るく設定された映像モード『3D』で観てみたが、超大画面の映画館体験も65インチ・プラズマ視聴も、はるかに上回る驚愕の臨場感を味わった。パンドラの森の精がジェイクの肩にふっと降り立つシーンなど思わず手を伸ばしそうになるリアリティー。この映画のほんとうの魅力を初めて実感できた瞬間だった。
うーん、3年連続JVC製プロジェクターお買い上げだなあ……。
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