わずか3グラムの快適モニター、AKG「Q350」:お年玉で買えるカナル型イヤフォン特集
AKG「Q350」は、クインシー・ジョーンズとのコラボレート・モデルの1つ。わずか3グラムという超軽量ボディーのため、装着感は快適の一言だ。
以前の特集で紹介した「Q460」同様、「Q350」もクインシー・ジョーンズとのコラボレート・モデルの1つ。ベースとなった機種は「K340」だが、専用のカラーデザインなど、さまざまなカスタマイズが加えられている。ちなみに通常モデルでAKGロゴが入る部分(装着時外側に向く部分)には、クインシー・ジョーンズモデル共通のQをあしらったデザインロゴが書き込まれている。
ケーブルにはマイク一体型のインラインリモコンが付属するが、マイク機能が追加されているためかK340とはデザインが異なっている。カラーバリエーションはブラックとホワイトに加え、イメージカラーの明るいグリーンという3色が用意されている。
ユーザビリティー
わずか3グラムという超軽量ボディーのため、装着感は快適の一言。音楽が聴こえているのに、イヤフォンを付けている気にならないという不思議な錯覚さえ覚える。あまりに軽いが、大きさは今回試聴した中で最小とまではいかないため、かえって付け外しはやりやすかった。
マイク付リモコンはアップル純正オプションのカナル型イヤフォンと同じく、装着時はアゴのあたりに位置するため、使い慣れるまでは少々戸惑いそうだ。音漏れに関しては少しあるものの、野外では全く気にならないレベルだ。
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サウンドの特長
音の特長を一言で言い表わすならば、アンプラグド向きなサウンドといえる。アコースティックギターはエナメル弦らしい音色がきちんと伝わってくるし、ボディ鳴りも少し控えめながら良質な木材ならではの心地よい響きが感じ取れる。男性ボーカルもリアルで、語り口調がゆっくりに聴こえるほど細かなニュアンスが充分に伝わってくる。
基本はモニター系ならではの高域に重心を置いた帯域バランスで、高域の通りはとても良いが、鋭すぎず痛さを感じることもないナチュラルさも持ち合わせている。いっぽうの低音部は、ボリュームが不足しているわけではなく必要充分な量感が備わっている。帯域バランスが最低域に向かって自然な減衰カーブを描いているため、人によってはノビが物足りないと思うかもしれない。いずれにしろ、普段からモニター系ヘッドフォンをメインに使用している人には、是非試してほしい製品だ。
音質評価 | |
---|---|
解像度 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
帯域幅 | (ナロー−−○−−ワイド) |
帯域バランス | (低域重視−○−−−フラット) |
音色傾向 | (ウォーム−−○−−クール) |
メーカー | AKG |
---|---|
製品名 | Q350 |
型式 | ダイナミック型 |
音圧感度 | 106dB/mW |
再生周波数帯域 | 12〜2万3500Hz |
インピーダンス | 16オーム |
コード長 | 1メートル |
プラグ | 3.5ミリステレオミニ |
価格 | オープン |
関連リンク | メーカーの製品情報ページ |
試聴環境
今回の試聴には、リファレンスとしてアルティメットイヤーズの高級機「TripleFi 10」を使用した。こちらは発売されてからしばらく経過しているモデルだが、フラット&ワイドな帯域特性やダイナミックでリアリティーの高い音色、ひずみなく整った帯域バランスなど、いまでも多くの人から人気を集めている。こちらをフルマーク(音色傾向に関してはちょうど中間)と考え、各モデルを相対的に評価した。
今回の特集で取り上げるカナル型イヤフォン
- ヴォーカルに最適化された低価格モデル、TDK“CLEF-P VOCAL Tuning”
- ホーンスピーカーの理論を応用、ファイナルオーディオ“Piano Forte II”
- 逆転の発想がもたらしたピュアなサウンド、JVC「HA-FXC71」
- カジュアルに使えるクリプシュサウンド、“Image S3”
- まさにスポーツ仕様、ゼンハイザー「CX310 by adidas Originals」
- 手作業によって生み出される上質なサウンド、ソニー「MDR-EX510SL」
- わずか3グラムの快適モニター系イヤフォン、AKG「Q350」
- ダイナミック型に変わったアルティメットイヤーズのミドルクラス 「UE400」
- 上位機譲りのクリアでダイレクトな音、シュアー「SE315」
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