カジュアルに使えるクリプシュサウンド、“Image S3”:お年玉で買えるカナル型イヤフォン特集
アメリカの老舗スピーカーブランドであるクリプシュがリリースする、カナル型イヤフォンのエントリーモデル。スタイル優先の低価格製品かと思ったら……。
アメリカの老舗スピーカーブランドであるクリプシュがリリースする、カナル型イヤフォンのエントリーモデル。小型の筐体を採用することで装着感の良さを追求するとともに、グラファイトグレー、レベルレッド、パーフェクトピンク、ギャラクシーグリーンという4色のカラーバリエーションを用意して携帯プレーヤーやファッションにあわせたコーディネートができるよう配慮している。
またイヤーパッドには、上位機種と同じくソフトシリコン製で独自の形状を持つEar Gelsを採用、高い遮音性と長時間の使用でも疲れない快適性を実現した。
ユーザビリティー
本体が小さいため、装着感は快適だ。クリプシュ独自のイヤーパッド、Ear Gelsも変に耳穴を押し広げることなく好感触。かといって遮音性は高いので、それもうれしい。装着感に関しては、かなりの優秀さを誇るといってもいいだろう。またカラーバリエーションに関しても、全色メタリック調であることに加え、トップコートのつややかさもあってなかなかの上質感が漂う。価格を考えると、かなりしゃれた作りといえるだろう。
サウンドの特長
正直いって、試聴する前はデザインやカラーバリエーションをいちばんの売りにする「音よりもスタイル優先」の製品ではないかと邪推をした。しかし、さすがはクリプシュというべきだろう。何のエフェクトもなく、自然な音色と帯域バランスのよいサウンドで、音楽の楽しさをストレートに再現してくれる。とにかく聴きやすいのだ。
解像度はそこそこあるものの、鳴らしっぱなしに近い響きのため少々雑多なイメージはあるが、それがかえって音の自然さをフォローすることになっているから面白い。特に高域方向へのノビや響きがかよく、付随して音の通りがかなり良好なため、大ボリュームでなくても充分に演奏を楽しめる点もありがたい。なかなかの秀作だと思う。
音質評価 | |
---|---|
解像度 | (粗い−−○−−きめ細かい) |
帯域幅 | (ナロー−○−−−ワイド) |
帯域バランス | (低域重視−−−○−フラット) |
音色傾向 | (ウォーム−−○−−クール) |
メーカー | クリプシュ |
---|---|
製品名 | Image S3 |
型式 | ダイナミック型 |
ドライバー | 5.8ミリ |
音圧感度 | 106dB/mW |
再生周波数帯域 | 12〜1万8000Hz |
インピーダンス | 18オーム |
コード長 | |
プラグ | 3.5ミリステレオミニジャック |
価格 | オープン |
関連リンク | メーカーの製品情報ページ |
試聴環境
今回の試聴には、リファレンスとしてアルティメットイヤーズの高級機「TripleFi 10」を使用した。こちらは発売されてからしばらく経過しているモデルだが、フラット&ワイドな帯域特性やダイナミックでリアリティーの高い音色、ひずみなく整った帯域バランスなど、いまでも多くの人から人気を集めている。こちらをフルマーク(音色傾向に関してはちょうど中間)と考え、各モデルを相対的に評価した。
今回の特集で取り上げるカナル型イヤフォン
- ヴォーカルに最適化された低価格モデル、TDK“CLEF-P VOCAL Tuning”
- ホーンスピーカーの理論を応用、ファイナルオーディオ“Piano Forte II”
- 逆転の発想がもたらしたピュアなサウンド、JVC「HA-FXC71」
- カジュアルに使えるクリプシュサウンド、“Image S3”
- まさにスポーツ仕様、ゼンハイザー「CX310 by adidas Originals」
- 手作業によって生み出される上質なサウンド、ソニー「MDR-EX510SL」
- わずか3グラムの快適モニター系イヤフォン、AKG「Q350」
- ダイナミック型に変わったアルティメットイヤーズのミドルクラス 「UE400」
- 上位機譲りのクリアでダイレクトな音、シュアー「SE315」
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