目覚まし代わりじゃもったいない、AirPlayで発揮されたJBLの実力「JBL ON AIR WIRELESS」:野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)
今回は、7月7日にApple Storeにて先行予約が開始されたばかりのiPodスピーカー、「JBL ON AIR WIRELESS」を視聴した。手元のiPhoneやiPad、あるいはPCから手軽に音楽をストリーム再生できるAirPlay対応機だ。
サイズを感じさせない本格派
AirPlayでは、手元のiPhoneやiPad、iPod touchからJBL ON AIR WIRELESSをスピーカーにチョイスするだけで、使い慣れた製品(iPodなど)から違和感なく操作できる。ON AIR WIRELESSにはリモコンも付属するが、それを不必要と思ってしまうくらいスムーズだ。
まずは手持ちの第3世代iPod touchをAirPlay接続(ちなみにiPod touchは第2世代以降であればAirPlayに対応している)してサウンドをチェックする。こういった製品は、音質よりもデザイン性や便利さ、価格のほうが優先されるケースも多く、ON AIR WIRELESSについてもそのスタイリッシュな外観を見る限り、正直あまり期待していなかった。しかし、さすがJBLというべきだろう。サイズを感じさせない本格派の音、ナチュラルな音色でクオリティーの高いサウンドを奏でてくれる。
とくに高域への伸びやかさが良好で、ピアノは美しく自然な響きを聴かせてくれる。これは最上部に配置された25ミリトゥイーターの恩恵があるのかもしれない。いっぽうでメインの40ミリアルミコーンスピーカーも口径の小ささを感じさせない量感ある中域を確保していて、存在感の強い女性ボーカルを楽しませてくれる。さすがに最低域までの伸びはなく、ハードロックやヒップホップなどは迫力に欠ける嫌いはあるが、ブーミーな量感だけの低域を無理やり被せられるよりもよほど好感が持てる。
そして何よりもすばらしいのが、音場的な広がり感。比較的コンパクトな筐体からは想像できないほど、音が四方に広がってくれるため、正面だけでなく、かなり斜めの場所などても音楽を楽しめる。ステレオイメージはあいまいになるが、BGM用のシステムと考えれば、どんな場所でもそれなりの音を楽しめることのほうが重要だ。こうした音質的なキャラクターからも、広めの共有スペースにおきたくなる製品といえる。
最後に1つ、JBLにリクエストをさせていただきたい。このON AIR WIRELESSは、テーブルなどに置くのもよいが、できればデザインのマッチした専用スタンドを用意してはいかがだろう。そのほうが、スピーカー配置的に音質(特に音場)としては優位だろうし、何よりもON AIR WIRELESSが単体でスタンドアップしている姿はとても絵になる。もちろん、市販のスピーカースタンドをうまく活用すれば、それなりの収まりにはなるだろう。しかしながら、地震などがおきた場合も倒れ落ちることがないよう、しっかりと固定できる専用スタンドがあるとありがたい。ぜひとも前向きに検討してほしい。
音質評価 | |
---|---|
解像度感 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−○−−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−○−−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−−○−質感重視) |
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