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着実に進歩する各社のスマートテレビ戦略(1)IFA 2011(5/5 ページ)

スマートフォンやタブレットとの連携、そしてテレビに追加できるアプリケーション……IFA 2011の会場には、各社の新しい“スマートテレビ”がそろい踏み。まずはパナソニック、ソニーなどを取り上げよう。

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 船井ブースでユニークなのは「FUNAI Tablet」と紹介されていたもので、Android 2.2がベースになった7インチタブレット製品の存在だ。これ自体は他社の汎用Androidタブレットと基本機能的には大差ないのだが、自社のスマートテレビと連携するための専用ハードウェアとソフトウェアが用意されている点が面白い。例えば汎用タブレットにはない、リモコン呼び出しボタンやSkype起動ボタン、十字キーなどが標準搭載されている。


船井のタブレット端末。通常はこのようにテーブルに立てかけてフォトフレームや時計/カレンダーとして利用できる

リモコンを起動した状態。今回IFAで展示されていた多くのリモコンアプリの場合、そのメーカーと連携するアプリのみが提供されるのが一般的だが、船井のケースでは専用ハードウェアを用意しており、Wi-Fi経由による自社製TVとの連携だけでなく、赤外線信号を使った他社製TVを制御できるマルチリモコン機能も備える

他のリモコンアプリと同様、ジェスチャーモードも備える

 リモコンボタンを押すとTVリモコンのための画面に切り替わり、Skypeボタンを押すと一発でSkypeが立ち上がる。さらに十字キーでメニューの選択が可能といった感じだ。こうした専用ボタンが用意されている理由として、タブレットをリモコンとして利用する場合、ユーザーは手元よりもTV画面のほうを確認する傾向があるからだ。タッチスクリーンではボタン表示の柔軟性がある反面、ボタンを触感で判断できないために手元を見ないと操作できない。そこで十字ボタンを用意することで、TV画面を見たまま操作が可能だというわけだ。またリモコン呼び出しやSkype起動のための専用ボタンがあるのも、“ほぼ”専用機器としての役割を重視したからだと思われる。

タブレットの外観はこんな感じ。立てかけられるように本体に傾斜があり、立てかけたときに底面になる部分には赤外線送信のための開口部がある。タブレットはAndroid 2.2ベースとなっている(左、中)。通常のAndroidタブレットとしても動作する。これは専用のビューワーアプリとなっており、TVとの写真共有も行える(右)

 また専用ハードウェアとしてタブレットを設計したため、Skypeチャット用のフロントカメラが搭載されていたり、通常のTVリモコンとして利用できるよう赤外線出力がサポートされていたりと、非常にユニークな点がある。これにより、メーカーと製品名を指定することで汎用のマルチリモコンとして機能させることも可能だ。OS自体はAndroid 2.2であり、必ずしも最新プラットフォームとは言い難いが、今日提供されている多くのAndroidアプリは標準で動作する。

 今後は2.3の「Gingerbread」のアップデートとともに、3.xの「Honeycomb」、4.xの「Ice Cream Sandwich」と順次最新バージョンをキャッチアップしていく意向とのことで、製品単体として見ても面白いものだといえるだろう。ちなみに、同型の製品が日本国内ではアイ・オー・データから「alimo」として発売されており、これは船井のOEMだ。まだ発売されて2カ月程度だが、順次フィードバックを受けてハードウェア含めて製品を改良していく予定だという。

Logitechのブースではスマートテレビ用のオプションが多数展示されている。Webカメラのほか、キーボードやリモコンなどが代表的なものだ

 このように、昨今のスマートテレビは「TV装置そのもの」だけでなく、周辺サービスの整備や周辺機器のリリースなど、1つのプラットフォームとして機能し始めている様子がうかがえる。とくにスマートフォンやタブレットとの連携、アプリの実行環境、そしてLogitechなどにみられる周辺機器メーカーの台頭など、リビングPCが実現できなかった「リビングルームのインテリジェント化」を少しずつながら実現しているように思える。IFAリポートでは引き続き、残りの大手メーカーを中心としたスマートテレビ戦略を追いかけていく予定だ。

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