山手線から新方式レーザーテレビまで――三菱電機:CEATEC JAPAN 2011
三菱電機ブースは、重電まで手がける総合電機メーカーらしく、レーザーテレビのほかに人工衛星の技術や社会インフラ技術について展示。このほかレーザーバックライト液晶テレビ、プロジェクター用レーザー光源が参考出品されていた。
「CEATEC JAPAN 2011」の三菱電機ブースに入ってまず目を引くのは人工衛星関連の展示。同社も手がけた準天頂衛星初号機「みちびき」や、宇宙ステーション補給機「こうのとり」に使われた技術が展示されている。
こうしたところはさすが三菱だな、というところなのだが、筆者が目を引かれたのはこの次に展示してある、山手線向けのデジタルサイネージ技術だ。「山手線トレインネット」という名称で、本日10月4日から来月11月2日までの期間、試験的に1編成のみに提供されている。
山手線トレインネットは、現在車両のドア上部で提供されているサイネージを、スマートフォン向けに展開するもの。車内にあるWi-Fiネットワークを利用して、車両の混雑具合や駅ごとの乗り換え路線案内、運行情報が分かるようになっている。
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このほか、iPhoneおよびAndroid向けにアプリも提供されており、山手線トレインネットを実施している車両がどのあたりを走っているかも分かるので、調べて出かけてみてはいかがだろうか。詳細は公式サイトを参照してほしい。
レーザーテレビの進化形
ほかに目を引いたのは、レーザーテレビとともに参考出品として展示されていたレーザーバックライト液晶テレビとプロジェクター用レーザー光源だ。
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同社は昨年7月にRGBのレーザーを使用するレーザーテレビを発表しているが、今回はレーザーとLED光源の合わせ技。エッジ型のスタイルで画面両サイドにレーザーとLEDの光源を配置し、拡散板を使って均一な発光を可能にした。
このスタイルでレーザーを使用する意味は、光の波長のうち、意図した部分を正確に取り出せること。一般的なバックライトに使われる白色LEDは、青色LEDに黄色蛍光体をかぶせたものであり、「どうしても色が混ざってしまい、赤が朱色に見えたり、緑が若草色のように表示されることが多い」(同社)。
そこでスペクトラムが急峻(急峻)で、余計な波長の出ないレーザーを活用。赤をレーザーに置き換え、ブルーとグリーンをあわせたシアンのLEDバックライトと併用することで、従来の白色LED液晶テレビの約1.3倍の高色域を実現するとともに、再度の高い原色と自然な色の再現を両立したという。とくにRにGが混ざらないために赤の純度が高い。「NTSCの色域比で100%を超えた」(同社)。
一方のレーザープロジェクターは、RGBのレーザー光源を採用したもの。6万ルーメンもの高輝度化が可能で、高い色再現性を持ちながら、従来の光源ランプより寿命が長い。製品化にあたっての課題はコストとサイズ。展示では本体を見せていなかったが、実はかなり大きいという。
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