5つの子画面がずらり、HDMIの新機能「InstaPrevue」とは?:CEATEC JAPAN 2011(2/2 ページ)
シリコンイメージが「CEATEC JAPAN 2011」開催に合わせてプレスカンファレンスを催し、HDMI、MHL、WirelessHDの最新技術動向を説明した。9月のIFAで発表した「InstaPrevue」のデモンストレーションも行っている。
AVアンプに最適の「InstaPrevue」対応6×2ポートプロセッサー
もう1つ、IFAで発表した「InstaPrevue」(インスタプレビュー)は、多くのHDMI機器を切り替えて使うAVアンプやセレクターなどに便利な技術だ。新開発のポートプロセッサー「SiI9575/9573」は、 6つのHDMI入力と2つの出力を持ち、マトリックススイッチを搭載した同社初の“2×6ポートプロセッサー”。これを搭載した機器では、2つの出力(ディスプレイ機器)に対して異なる入力機器の映像と音声を出力できる。
ここまでは既存のマトリックス型HDMIセレクターと同じだが、InstaPrevueにより、入力を切り替える前に各ソース機器の映像を子画面で確認できるという。InstaPortで実現したHDCPのバックグラウンド認証技術を応用したものだ。
実際のデモを見ると、画面のサイドあるいは上下(設定で位置を変更可能)にアイコン状の子画面が並び、カーソルを合わせると内側に少し移動する。決定ボタンで入力が切り替わる仕組みだ。表示される子画面は動画ではなかったが、数秒に1度更新されるため、ユーザーは十分に内容を把握できるだろう。
また、テレビの二画面機能と同様の“Picture in Picture”の機能も持っている。この場合、メイン画面の中に小さなサブ画面が毎秒30フレームの動画で表示され、オーディオ出力は選択可能。例えばスピーカーからはメイン画面の音を出し、イヤフォンで子画面の音を出すといった使い方ができるという。
SiI9575/9573は、6ポートすべて4K×2Kの24Hz/30Hz伝送をサポート。また6入力のうち2入力でMHLの使用が可能。もちろんInstaPort SやARC(オーディオリターンチャンネル)といった機能も利用できる。外付けメモリのいらないチップ単独でこれらの機能をカバーできるという。シリコンイメージでは、SiI9575/9573のサンプルをすでに出荷しており、2012年はじめには量産出荷を開始する計画だ。
関連記事
- “REGZA”新製品に初採用、「InstaPort S」の実力を探る
東芝は、液晶テレビ“REGZA”の2011年春モデルにおいて、他社に先駆けて米Silicon Imageの「InstaPort S」を導入した。HDMI入力の切り替え速度をさらに向上させるというInstaPort Sだが、どれほどの違いがあるのだろうか。 - HDMIの“切替”がさらに早くなる「InstaPort S」
シリコンイメージの「InstaPort」がさらに高速化して“S”になった。また、モバイル機器用のHDMIといえる「MHL」も実用化の段階に入りつつあるようだ。シリコンイメージに詳しい話を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.