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かな〜り欲ばりなUSB DAC、「CONCERO」を試す野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)

エミライが取り扱うResonessence Labsの「CONCERO」は、かなりユニークな製品だ。192kHz/24bit対応のUSB DACとして使えるのはもちろん、USB DDC、あるいはS/PDIF入力のDACとしても活用できる。

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「ES9018」直系の丁寧で繊細なイメージ

 さて、実際のサウンドはいかがなものだろう。デジタル出力のクオリティーも確認したかったので、ORB「JADE-2」にアナログRCAと同軸デジタルを接続、ヘッドフォンにAKG「Q701」を使い、まずはUSB DACモードのクオリティーをチェックした。


 音色傾向は、丁寧で繊細なイメージ。ニュアンス表現が巧みで、音楽の細部まで良く届いてくる。脚色のないナチュラルテイストのサウンドは、まさに「ES9018」直系のものといえる。しかしながら、音色傾向が似ているだけに「ES9018」と比較してしまい、ダイナミックレンジの幅広さに関してやや不利と感じてしまう面も。逆にいえば、良く健闘しているし、価格を考えるとかなり上出来な部類に入るだろう。

 こういった印象は、アポダイジングフィルターをオンにするとかなり変化する。ダイナミックレンジが大きく広がり、ピュアでのびのびとしたサウンドを聴かせてくれるのだ。アポダイジングフィルターは基本的にアップサンプリングなので、44.1k/48kHz入力の時のみ有効となるが、これに近い効果をハイレゾ音源でもほしくなる。

 次にデジタル接続を確認してみる。と、こちらは一聴して驚いた。とてつもないダイナミックレンジとSN感を持ち合わせているのだ。特に、アナログ出力をオフにすると完璧で、ORB「JADE-2」が別物のように、音数が多く、かつダイナミックな抑揚表現をもつ聴きに生まれ変わってしまった。これはいい。

 このように「CONCERO」は、USB DACとしてなかなかの実力派ながら、特に44.1k/48kHzメインの人や、良質なUSB DDCがほしい人には、もってこいの製品といえる。かくゆう筆者も、以前からハイクオリティーUSB DDCを物色していたところなので、まさにストライク。さっそく購入を決めたところだ。

音質評価 「CONCERO」(USB DAC時)
解像度感 (粗い−−−○−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−○−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−−−○フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)
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