コードレスなのにパワフル――ダイソン「DC62」がやってきた(2/2 ページ)
キャニスター式の国産掃除機が壊れた家庭に、救世主としてやってきたダイソンの「DC62」。コードレス式ながら、高い吸引力をウリにするこの製品の使い勝手をリポートする。
コードレスなのにしっかり吸ってくれるのがうれしい
コードレスタイプの掃除機ならではの魅力としては、コードのつなぎ換えなどが不要で、部屋と部屋の移動が楽なこと、持ち上げやすいので壁の上の方に付いたホコリの掃除などもしやすいこと、ミニモーターヘッドを付けてクルマの掃除などにも活用できることなどが挙げられる。
我が家はマンションなのでフロアの移動はない。ただ、これまで使っていた掃除機は、掃除中に2〜3回コンセントをつなぎ換える必要があった。これがなくなるのは、掃除のリズムが崩れなくていい。一軒家だと、より移動の楽さは実感できるのではないだろうか。
また、夏場は空気をかき回すためシーリングファンを使っており、壁にホコリがよく付くため、ときどき椅子に乗ってハンディモップなどで拭いていた。これが、DC62のロングホースとコンビネーションブラシでささっと掃除できたのはよかった。
クルマの掃除はこれまで洗車時やディーラーでの点検時に主にやっていたが、DC62なら気になるときにすぐ掃除ができるのがうれしい。
動作時の音はどう?
“ダイソンの掃除機は音がうるさい”というのはネットでの書き込みや実際のユーザーからよく聞く話だが、実際どうなのか。
DC62は小さなモーターが高速に回転(ダイソンによるとデジタルモーターV6は毎分最大11万回転)するので、高い周波数のモーター音が出る。キャニスター型の掃除機のような低い音と違って耳に付きやすいので、うるさいと感じる人が多い音だ。イメージとしては、旅行用の小さなヘアドライヤーの音が近い。ただ、掃除機があまりに静かだと吸っているかどうか不安になるのも事実で、個人的には許容できるレベルの音だと感じている。
動作音については言葉で説明するのが難しいので、気になる人は量販店などで確認してみるといい。大きめの量販店なら、たいてい店頭デモ用の機材が用意されている。
クリアビンの容量は掃除1回分くらい
吸い込んだゴミをためるクリアビン(ダストボックス)の容量は、コンパクトなモデルだけにそれほど大きくはない。掃除をする度に中身は捨てるくらいの感覚で使うべきだろう。ゴミはスライド式のレバーを下に下ろすだけで下部のフタが開き、簡単に捨てられる。
クリアビンの筒は大きく見えるが、全体の5分の2くらいの量の位置に「MAX」と描かれた線があり、ここを超えると紫色のフィルターの部分にホコリが張り付くようになるので、小まめに捨てた方がいい。なお、下部のフタが開いた状態で再度赤いレバーを下に引くと、ダストボックス自体が取り外せるので、ゴミが取れなくなってきたらクリアビンごと外して手入れをするといいだろう。
それから、しばらく使っていると、フタを開けて中身を捨てただけでは残ってしまう、細かな砂状のホコリが気になるようになってくる。個人的には水洗いしたくなるレベルだが、残念ながら水洗いできるのは内部の円すい形のフィルターのみだ。
コストパフォーマンスに不満はない しかし……
実売価格が5万円台の後半と、他の掃除機と価格だけ比べてしまうと、DC62は確かに安いものではない。だが、コンパクトなボディの取り回しの良さと掃除機としての性能は十分満足のいくものだった。今や我が家のメインの掃除機として活躍している。
ただ、1つどうしても指摘しておきたいことがある。それは本体のあちこちに見られるプラスチックの成型ムラ(ウェルドライン)だ。しかも銀色の部分でけっこう目立つ。高価格帯の製品であり、デザインの良さもウリにしている製品だからこそ、ここは苦言を呈しておきたい。あちこちに成型ムラがあるせいで、全体がものすごくチープに見えるのだ。カタログの写真にはないのだが、正直なところ最初に見たときかなりがっかりした。
コストパフォーマンスという点では、DC62モーターヘッドは十分納得のできるものだ。これに加えて、細部のデザインにももう少し配慮した製品作りをしてくれれば、次もぜひダイソンにしたいと思う。
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