掃除の効率を上げる影の主役「ツール」――20年の進化:テクノロジー解説<3>(3/3 ページ)
ダイソンの掃除機には、「ツール」と呼ばれるノズル部がいくつも付属している。中には一見、何をするものなのか分かりにくいものも存在するが、使い方が分かれば非常に便利だ。今回は、掃除の効率を劇的に上げる「ツール」に焦点をあて、それぞれの役割と便利な使い方を紹介していこう。
ここまで紹介してきたツール類は、掃除機の吸引力をさまざまな場所に伝えるための“パッシブ(受動的)ツール”だ。一方、ツール自体に駆動部を設け、ブラシを回転させてパワフルにゴミを除去するものを“エンジニアリングツール”と呼ぶ。その代表が、「ミニモーターヘッド」だ。
ミニモーターヘッドは、上部に搭載した小型モーターでブラシを高速回転させ、より高い集塵力を発揮するツールだ。回転ブラシは三角形を基本とした配置パターンになっており、ゴミが中央に集まってきたところを吸引する仕組み。ソファや布団のハウスダスト除去、自動車のインテリアなど用途は幅広い。底面は角度を変えても常に掃除対象に密着する構造になっている。
ただし、モーターを搭載したツールはコードレス掃除機にとって不利な面もあった。パワフルにゴミやホコリを取り除く一方、どうしてもバッテリーの消費が早くなるからだ。
その問題を解決したのが、吸引する空気の力でブラシを回転させ、モーターヘッドに負けない集塵力を実現する「タングルフリー タービンツール」。上部にある円形部分がメッシュ状になっており、掃除機を動かすと空気を吸引し始める。その力でタービンが回転し、底部にある2つの楕円形ブラシも回り出す仕組みだ。モーターを搭載していないために軽量で、さらに長い髪の毛や糸くずがブラシに一切絡まないという特徴もある。
タングルフリー タービンツール
「タングルフリー タービンツール」は長い髪の毛や糸くずがブラシに一切絡まないためメンテナンスフリー。回転ブラシは柔軟な素材でできているため、凹凸があるような表面などでも、適切な圧力をかけた状態できっちりと密着する。
このようにツールは、時代のトレンドやライフスタイル、住環境やユーザーニーズに合わせてどんどん生み出されてきた。ただ、これら革新的なツールの数々も進化の途上だ。もっと便利に、さらに効率良く掃除することを目指し、ダイソンの研究開発は続いている。
オプション:ペットの毛をまき散らさない「グルーミングツール」
「グルーミングツール」は、数年前に登場したダイソンのオリジナルツール。グルーミングの際、周囲に毛をまき散らしてしまうことに悩むペット愛好家が多かったため、ダイソンが英国内の動物病院と協力して開発した。極細の金属製ブラシでグルーミングを行ったあと、片手でハンドルを握ると絡まった毛が押し出される。と、同時に掃除機が稼働し、中央の吸引口で押し出された毛を吸いとる仕組み。周囲に毛をまき散らすこのない機能的なツールである。現在はオプションとして単体販売されている(税込7560円)
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