吸い込んだ花粉は逃がさない!――ミーレのダストバッグ式掃除機に秘められたコダワリの技術とは?:滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」(3/3 ページ)
今年は東京で昨年の2倍、大阪でも1.5倍の飛散量が予想されている花粉。ドイツの高級家電メーカー、ミーレでは、ダストバッグ式掃除機「Compact C2」を花粉対策にすすめている。その理由を聞いた。
自社設計&ドイツ生産のモーター
ここまでは主にチリやゴミを吸い込んでから排気まで、いかに効率がよく、しかもきれいな空気が排出されるかまでの技術について紹介してきたが、やはり掃除機なら吸引力についても聞いておきたい。床に落ちている花粉などをしっかり吸えるかどうかは、ノズルとモーターの性能にかかっている。
「『Compact C2』の最上位モデルのノズルは、自走するようなブラシをあえて搭載していません。それは自走するということは、それだけノズルの内側に隙間を作ることにつながっているからです。ミーレはノズルの内側を密閉状態にすることで、フロアから根こそぎ、さまざまなゴミを吸い取れる掃除機こそが理想的だと考えています。ただ、住居の床素材はフローリング、畳、Pタイルなどさまざま。だからこそ、ブラシの切り替えスイッチを搭載しました。例えば硬い床ではブラシを出して、徹底的にブラシを床面にこすることでゴミを集めます。一方、カーペットやじゅうたんといった柔らかい床ではブラシを出さず、ノズルが吸い付くようにして、密閉状態となった床からあらゆるホコリなどを取り去ります」。
掃除機にとって命といっても過言ではないモーターについては、自社設計&ドイツ本国で生産するなどこだわりも多い。「ミーレのモーターはゆるやかに始動し、電気の使い過ぎから起こる過負荷やショートからモーターを保護するなど、他社供給のモーターではなかなか実現できない繊細なチューニングが施されています。フロアの素材によって使い分けるパワーの調節は6段階。運転音と吸引力のバランスなどを考え、標準使用では上から3番目の強さをおすすめしています」。
また、ホコリや花粉というのは当然床だけに存在するものではない。テーブルや本棚、カーテンレール、照明器具、家具の裏やすきまなど、部屋のあらゆるところに実は溜まっている。こういった場所に積もった花粉は残念ながら空気清浄機では取れない。だからこそ、キャニスター掃除機ならではのオールマイティ性、つまりは豊富なノズルが花粉対策に有効なのだ。「『Compact C2』には多くの専用ノズルが用意されています。最上位モデルになると、その種類は10種類以上。ありとあらゆるところが掃除できます」
例えば、空気の流れで回転するブラシがゴミをかき出すターボブラシはカーペットやフローリングのすき間に、静電気でホコリや花粉がたまりやすいPCや電気製品周辺にはホコリ取り用ノズルやマイクロセット、さらにレースのカーテンや外出から帰ってきた際に洋服に付着したチリやホコリ、さらに花粉などは家具用ノズル……というように、用途に応じて最適なブラシを選択できるのはキャニスター型掃除機ならでは。中でも「Compact C2」の多彩さは世界でもトップクラスといえるだろう。
「掃除機の理想の吸引力とは、理想的なノズル、理想的な空気の流れ、理想的なモーターと、この3要素がすべてそろってこそ生み出されます。これはゴミを集めるための吸引力を徹底的に考え抜き、行き着いたミーレなりの答えです。これからもこの方針がブレることはないでしょう」と自信をみせる高田氏。花粉対策に「Compact C2」を導入すれば、きっと強い味方となってくれるだろう。
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