ティアック、ヘッドフォンのバランス接続に対応したDAC内蔵プリアンプ「UD-503」:フルバランスの誘惑
ティアックはUSB-DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「UD-503」を発表した。「春のヘッドフォン祭」でお披露目され、注目を集めた製品。旭化成エレクトロニクスの新世代DAC「VERITA」を搭載している。
ティアックは6月10日、デスクトップオーディオの新製品として、USB-DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「UD-503」を発表した。5月の「春のヘッドフォン祭2015」でお披露目したもので、現行「UD-501」の上位モデルに位置づけられる。6月下旬にブラックとシルバーの2色を発売予定で、価格はオープンプライス。店頭では15万円前後になる見込みだ。
A4サイズのコンパクトな筐体(きょうたい)にハイエンドオーディオ由来の設計コンセプト「デュアルモノーラル構成」を詰め込み、DACチップとして新たに旭化成エレクトロニクスの「VERITA」(AK4490)を2基搭載。リニアPCMは最大384kHz/32bit、DSD 11.2MHzまでのネイティブ再生が可能だ。
アナログ出力には電流伝送強化型バッファーアンプ「TEAC-HCLD」回路を4系統搭載。XLRバランス出力時にはフルバランスで、RCAアンバランス出力時にはパラレル・アンバランスで駆動するという「クラスを超えた表現力を持つD/Aコンバーター部を実現した」(同社)。
ヘッドフォンアンプは、増幅部をラインアンプと共有するディスクリート構成。フロントパネルにはTRSフォンジャックを2基搭載し、フルバランスもしくはパラレル・アンバランス駆動ヘッドフォンアンプとして利用できる。バランス駆動は、BTL(Bridge Tied Load)接続のほか、「アクティブグランド方式」にも対応。「グランド電位を積極的に安定させようとする」(同社)という。出力は、バランス駆動時で700ミリワット+700ミリワット(アクティブグランド方式は半分)、アンバランスで500ミリワット+500ミリワット(いずれも32オーム時)。
このほか、高精度な10MHz外部クロックジェネレーターの接続に対応する端子、256ステップで調整できるボリューム、デジタル/アナログのグランドを分離するデジタルアイソレーター回路、3点支持のピンポイントフットなど、ぜいたくな仕様になっている。
デジタル入力は、リアパネルにUSB、同軸デジタル、光デジタルを各1系統のほか、フロントに同軸/光兼用の入力端子を1系統用意している。これはハイレゾ対応ポータブルプレイヤーとの接続を意図したもので、光/同軸ともに192kHz/24bitまでの入力が可能だ。ほかにアナログ入力(アンバランス)1系統も備えている。
本体サイズは290(幅)×84.5(高さ)×248.7(奥行き)ミリ。重量は4.2キログラム。専用リモコンが付属する。
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