“和”を追求したスピーカーとヘッドフォン、オンキヨーが開発――新素材のセルロースナノファイバー振動板も採用:「桐」と「彫り」
オンキヨーが「和楽器の心地よい響きを実現した」というスピーカーとヘッドフォンを公開。古くから和楽器に使われる「桐」素材の採用に加え、音の響きをよくするため楽器本体の内部に施される「彫り」構造を採用し、スピーカーボックスやヘッドフォンカバーに応用した。
オンキヨーは2月5日、「和楽器の心地よい響きを実現した」というスピーカーとヘッドフォンを発表した。古くから和楽器に使われる「桐」素材の採用に加え、音の響きをよくするため楽器本体の内部に施される「彫り」構造を採用。スピーカーボックスやヘッドフォンカバーに応用した。
桐は木材の中でも軽量で音響変換効率に優れているため、心地よい響きを得られるという。スピーカーでは、側板の内側には「祭り用太鼓」などに施されている「網状鱗彫り」加工を施し、低域の響きを豊かにした。さらにボックス内の反射をコントロールするため、吸音材として中高音の吸音特性に優れたシルクを使用している。
ウーファーの振動板には、昨年11月に開発発表を行ったセルロースナノファイバー(CNF)を採用。木材を原料とする繊維素材をナノレベルまで細かくし、鉄の5分の1程度の質量でありながら5倍の強度を持つという「夢の新素材」だ。さらに和紙の原料である楮(こうぞ)を加えて音質を調整している。「これまでにない自然で豊かな響きを実現した」(同社)
一方のヘッドフォンは、ハウジング部に桐を使用し、内部に「綾杉彫り」加工を施した。またドライバーには世界初の100%CNF振動板を採用。音の情報量が増し、ヌケのよい高域再生が可能になったとしている。
「2016年に創業70周年を迎えるにあたり、和の文化、価値観、美意識を認識し、和を追求したこれまでにないスピーカーシステムとヘッドフォンを作りたいと考えた」というオンキヨー。2016年の下半期から自社ブランド製品あるいはOEM生産品として今回の技術を応用していく方針だ。
関連記事
- 世界初、オンキヨーがナノレベルの繊維を用いた「セルロースナノファイバー振動板」の開発に成功
オンキヨーが「ピュアセルロースナノファイバー」(CNF)を採用した振動板の開発に成功した。鋼鉄と比較して、重量は5分の1で5倍の強度を実現するという。2016年から商品化を実施する。 - 世界初、ハイレゾ対応の「マグネシウムモノコック振動板」をオンキヨーが開発――2016年に製品化へ
オンキヨーはマグネシウム箔材を採用したハイレゾ対応ヘッドフォン振動板とドライバーを開発した。2016年製品化を目指す。 - CESで見つけた“注目のヘッドフォン”総集編 2016
今年もCESで見つけた注目のヘッドフォンをまとめて紹介しよう。ベイヤーダイナミックとゼンハイザーが展示した最新のハイエンドモデルなど、いくつかは会場で試聴することができた。 - ラビットハウスの看板が耳元に――オンキヨーが「ご注文はうさぎですか??」コラボイヤフォンを発売
オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、ハイレゾ対応イヤフォン「E700MW」のアニメ「ご注文はうさぎですか??」コラボレーションモデル2種を発売する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.