人はなぜ「応援上映」にハマるのか 映画館で大騒ぎする新体験を図解してみた:4DXのキンプリは今日から(3/3 ページ)
映画館で声援OK、サイリウムOK、コスプレOKの「応援上映」。そんな応援上映にハマる仕組みを図解しました。
応援上映の楽しさを日常に取り入れたい
心の壁を取り払って楽しめる応援上映。その解放感たるや、劇場からの帰り道で「応援上映を見ているときの自分が本当の自分なのでは」とすら思わせるものでした。最近はこうした応援上映を通常上映とは別に用意する作品も増えてきています。あのひたすら楽しい何かを日常生活で取り入れることはできないのでしょうか。……取り入れたい……!
サイリウムをクロスして結婚を祝福
応援上映の帰り道はいつも多幸感を感じていたのですが、同じように多幸感を感じながら帰っていたイベントがありました。それは、「仲のいい友人の結婚式」です。
非日常的なハレの日は、応援上映との親和性が高いのではないでしょうか。教会での挙式では参列者はサイリウムをクロス(十字架のイメージ)して祝福する、誓いのキスの場面では激しくピンク色のサイリウムを振る……2人の門出を、体いっぱい使って祝福することができます。
さらに、夫婦ふたりの地元がそれぞれ離れている場合や、高齢で出席が難しい祖父母がいる場合など、スクリーン越しに出席できるライブビューイングでの結婚式もいいんじゃないですか? どうですか、ウェディング業界のみなさーん!
緊張する会社でのプレゼンを応援
緊張で胃が痛くなったり、ひたすら長くてつまらなかったりする会社の会議。そこに応援を取り入れたらきっと日常はもっときらめくに違いありません。
例えば、応援上映ではキャラクターが謝ると大体観客は「いいよー!」と肯定してくれます。その懐の深さに自分自身すら肯定された気分になるのですが、応援上映の祝福を受けた会議は、きっと誰もが勇気を与えられるものに違いありません。
とりあえず発言者の提案には「いいねー!」と肯定から入るため、緊張も和らぐし発言がしやすい空気になります。言葉が詰まると「がんばれー!」の声援が上司から飛んでくる。そんな会議、参加したい。
日常の全てが応援上映だったら
上記のイベントにこだわらず、何気ない日常も応援上映のエッセンスがあればもっと楽しいものになりそうです。朝は大きな声で「おはよー!」というあいさつから、「いいあいさつ!」の返答までが1セット。「今日ランチ何食べよっかなー」とつぶやくと、周りにいる人が「パスタ!」「うどん!」など、思い思いに食べたいものを叫んできます。
「今日も残業確定か……」というときは「働ぎすぎ!」「体大丈夫?」という、おせっかいながらもこちらを気遣ってくれる声援が同僚から飛びます。そして疲れて帰ってきたときは「お疲れさまー!」のコールが優しく出迎えてくれます(1人暮らしを除く)。いいな……日常が応援上映だったら世界はきっとこんなにも美しい……。
今後こうした形式はもっと増えるはず
かつてはオタクというと、家の中でゲームやマンガを楽しむだけという自宅で完結するイメージがありましたが、そんなイメージはもはや古いのです。
作品とのコラボカフェやファンミーティングイベントなどのリアルイベントが増えている昨今、オタクがどんどんアクティブ化しているように感じます。応援上映はコラボカフェなどと同様、体験型オタクイベントの代表格になれるのではないでしょうか。
また、キンプリの応援上映にはオタク層だけではなく普段アニメを見ない層も次々劇場に足を運んでいました。こうした観客参加型の上映スタイルがアニメ作品だけでなく洋画や邦画などいろんな作品で一般的になれば、レンタルの開始やDVDの発売を待ってしまうことなく、映画館で映画を見る人が増えるのではないでしょうか。映画の選択肢が増えて今以上にきっともっと楽しくなると思うので、当たり前のように応援上映を楽しめる未来にときめきが止まらない!
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