放送とネットをつなげる新しいラジオ「Hint」、ニッポン放送などが開発(1/2 ページ)
ニッポン放送とcerevo、グッドスマイルカンパニーの3社が全く新しい形のラジオ「Hint」(ヒント)を発表した。ラジオというメディアを1から見つめ直し、斬新なデザインとラジオに新しい価値を与える新機能を持たせたという。
ニッポン放送とcerevo、グッドスマイルカンパニーは7月20日、全く新しい形のラジオ「Hint」(ヒント)を発表した。近未来的なデザインに加え、ラジオ放送を受けてスマートフォンにURLを配信する新しい仕組みを備えた。同日よりクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」でサポーターの募集を開始している。サポートプランは2万1500円(税込から)。
「カッコいいラジオが欲しい」という思いでニッポン放送のアナウンサー、吉田尚記氏が立ち上げたプロジェクト。製品コンセプトは製品名の由来にもなっている「気配」(Hint)だ。「ラジオの魅力は、寂しさを消してくれるが、過剰に干渉しないところ。寂しくはないが、煩わしくもない。人の気配を伝えるラジオにしたかった」(吉田氏)
そのコンセプトを形にしたのが、フィギュアメーカーとして知られるグッドスマイルカンパニーとデザイナーのメチクロ氏だ。ハードウェアの仕様設計や試作機の開発はcerevoが手がけた。cerevoの岩佐琢磨社長は、「最初は『なぜ今ラジオ?』と思ったが、cerevoは“昔からあるもの”を最新技術でガラッと変えることにも取り組んでいる。“古き”があるからこそできるイノベーションだ」と話している。
BluetoothスピーカーにもなるFMラジオ
HintはワイドFM(FM補完放送)対応のFMラジオであり、Bluetooth 4.2経由でスマートフォンの楽曲を再生するBluetoothスピーカーでもある。さらにPodcastや各種ストリーミングサービス、radikoプレミアムにも対応する予定。スイッチオンですぐに音が出る起動の速さも特徴だ。
「外観からラジオだと分かる人はいないと思う」(吉田氏)という80(直径)287(高さ)mmの円筒形ボディーは、上向きのフルレンジスピーカーと円すい形のディフューザーを備え、360度に音を広げる無指向性スピーカーになっている。音質については、「Bluetoothスピーカーにもなるのでオーディオも聴けるようにしているが、まずは人の声がしっかり聞こえるようにする。バスレフ式の採用も検討中」(岩佐氏)。本体重量は約950g。電源はリチウムイオン充電池で、連続4〜6時間の使用が可能だ。ACアダプターも付属する。
もう1つの大きな特徴が、ニッポン放送の関連会社であるトーンコネクトのToneconnect(トーンコネクト)技術と米GoogleのEddystone(エディストーン)を組み合わせ、ラジオ放送を介して手元のスマートフォンにURLを配信する機能を持たせたこと。もちろんラジオとしては初の試みだ。
トーンコネクトの代表取締役CMOを兼任している吉田氏は、「放送局から電話のダイヤル音(DTMF音)を音声として送信する。“ピポパポ”という音を受信するとHintのLED発光が変化するとともにBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンが書き換わり、近くのスマホにURLをBluetoothで自動転送する」と説明する。
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