放送とネットをつなげる新しいラジオ「Hint」、ニッポン放送などが開発(2/2 ページ)
ニッポン放送とcerevo、グッドスマイルカンパニーの3社が全く新しい形のラジオ「Hint」(ヒント)を発表した。ラジオというメディアを1から見つめ直し、斬新なデザインとラジオに新しい価値を与える新機能を持たせたという。
DTMF音を受けたHintは、近く(5〜10m)にあるスマホにURLを一斉配信するため、視聴者はワンタッチで目的のWebサイトにアクセス可能。ペアリングのいらないBLEビーコンならではの使い方だ。
この仕組みを利用すると、例えば「スタジオに可愛い娘が来たとき、写真をインスタグラムに上げてリスナーにURLを配信する。あるいは番組で紹介した飲食店の地図情報を配信する。地元のお店のクーポンがスマホに届くといった使い方もできる」(吉田氏)。ほかにもアーティストの楽曲紹介でiTunesの販売ページへダイレクトに誘導したり、ラジオショッピングでECサイトの決済ページのURLを配信して「電話をかける」行為を不要にするなど、多くの使い方が考えられるという。
またEddystoneは、今後Androidの標準機能になる予定。iPhoneでも「Google Chrome」が入っていれば利用できるため、誰でも専用アプリのインストールなど必要なく使える点もポイントだ。
「ラジオ局にとって、URLを配信できるメリットは計り知れない。しかも世界標準技術なので世界中で使える。規格乱立を防ぐためにIPはトーンコネクトが持つが、そこで大きく儲けるつもりはなく、技術は他の企業にも提供する。ほかのメーカーから対応製品が出てきたり、ほかのラジオ局が対応する番組を放送する可能性もあるだろう」(吉田氏)。なお、ニッポン放送では「将来的にこの機能を利用した放送を予定、検討している」としている。
ラジオ局ならではのユニークなリターン
「CAMPFIRE」によるサポーター募集は同日スタートした。目標支援金額は1100万円で、クリアできれば量産に取りかかる予定。支援者には「遅くとも年内にはお手元に届くようにしたい」と生産を担当するcerevoの岩佐氏は話している。
支援者へのリターンはラジオ局ならではのユニークなもの。初回限定カラーの「シャンパンゴールド」を用意するほか、ニッポン放送のスタッフがミニ・ラジオ番組を作って音源をプレゼントしたり(放送はしない)、ニッポン放送スタジオへの見学会参加権、HintのスポットCMに声で出演する権利(実際にオンエア予定)など、さまざまな特典を用意した。クラウドファンディングによる支援受付は9月20日まで。
「ラジオというメディアを1から見つめ直し、できあがったラジオ。斬新なデザインと、ラジオに新しい価値を与える新機能を持っている。新しいラジオの形がここにある」
関連キーワード
ラジオ | ニッポン放送 | Bluetooth | スマートフォン | クラウドファンディング | グッドスマイルカンパニー | デザイナー | 支援 | Google | Beacon | Cerevo | 低エネルギーBluetooth | CMO | Google Chrome | Instagram
関連記事
- FM波によるAMラジオ補完計画――今年スタートする「FM補完放送」とは?
かつて誰もが成しえなかったFMへの道。 - 赤ちゃんの泣き声で感情が分かるスマートマイク「リスナー」、cerevoが発売
cerevo(セレボ)がスマートマイク「Listnr」(リスナー)を発売した。クラウド上の音声認識システムと連携し、乳児の声から「泣く」「笑う」などの感情を認識できるという。 - その日の予定に合わせて起こしてくれる“次世代の目覚まし”、cerevo「クラウディス」
「目指し時計を再定義する」――cerevoが「Googleカレンダー」と連動するスマートアラーム「cloudiss」(クラウディス)を発表した。耳を覆いたくなる大音量アラームと体育会系の止め方、そして二度寝を防ぐ工夫も。 - 無線LAN搭載でスマホ連携 Cerevoが自動変形する「サイコパス」の特殊拳銃「ドミネーター」を開発
Cerevoが、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」に登場する特殊拳銃「ドミネーター」を再現した「DOMINATOR MAXI」(ドミネーター・マキシ)を発表した。 - Bluetooth 4.1ですべてのモノをインターネットへ――Bluetooth SIG説明会
Bluetooth SIGが記者向け説明会を開催し、12月に発表予定とする次期Bluetooth規格バージョン4.1の概要を解説した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.