「背景がぼける写真を撮りたい」――そんなニーズに応える小型エントリー向けミラーレス、パナソニック「DC-GF9」(1/2 ページ)
パナソニックが2年ぶりに小型軽量シンプル自撮りのエントリー向けミラーレス機「DC-GF9」を発売した。GF7との大きな違いは3つ。デザインと記録メディアの変更と4K対応だ。GF7との一番の差別化が4Kだといえる。
パナソニックが2年ぶりに小型軽量シンプル自撮りのエントリー向けミラーレス機「DC-GF9」を発売した。
GF7の次がGF8じゃなくてGF9? なぜ1つトバしたの? 実は2016年に「DC-GF8」も出てたのだ。マイナーチェンジに等しい内容で、日本では発売されなかったのである。
そんなGF9であるが、GF7との大きな違いは3つ。デザインと記録メディアの変更と4K対応だ。GF7との一番の差別化が4Kだといえる。
そうそう、もう1つ細かな違いがあった。
今までパナソニックのカメラの型番はずっと「DMC」だったのだが、2017年から「DC」になったのである。だからこれも「DMC-GF9」ではなく「DC-GF9」。細かいことだけど間違えやすいので念のため。
エントリークラスのカジュアルミラーレスも4K対応に
GFシリーズはエントリー向けの低価格でシンプルなミラーレス一眼である。予算はあまりないけどレンズ交換式カメラが欲しい、小さくてこじゃれたカメラがいい、そういう人がターゲットだ。
そこがはっきりしてるのはデザインにも現れている。
デザインはマウントの上部がちょっと飛び出てた、高低差が低い凸型から、同社のコンデジ(DMC-LX9やDMC-TX1など)と同じく右肩がかくんと下がったデザインへの変更だ。
これはよりシンプルさを感じさせてよい。カラバリもオレンジとシルバー(ブラックとシルバーのツートーン)に変更された。ほどよいカジュアル感だ。
操作系は従来と同じで、複雑な電子ダイヤルはなく、背面のホイールとボタン、あとはタッチパネルを生かしてモニター上で操作してくれというもの。
ボタンの数は前モデルと同じだが、4K対応にともなってWi-Fiボタンに割り当てられてたFnボタンがフォーカスセレクトに、iAボタンに割り当てられてたキーは4Kフォト(Fnボタンなので機能割当の変更可能)に切り替わった。iAボタンがなくなったのはちょっと残念だが、総じてオートで撮る人にやさしい構成だ。
イメージセンサーは4/3型の1600万画素で前モデルと同じだが、ローパスフィルターレスになったので解像感が上がった。これはよい点。
残念なのは、GX7 MarkIIやG8で採用されたボディ内手ブレ補正を搭載しなかったこと。ボディサイズを小さくしたい、エントリー向けなのでコストを上げられないという事情はあるだろうが、エントリー向けにほしいよねと思う。
iAモードは相変わらず優秀で、唯一の料理認識機能は相変わらず楽しい。
顔を見つけると逆光でもちゃんと露出を合わせてきてくれる。
面白いのは発売時の構成。レンズキットは1種類だけで、それもダブルズームではなく、広角系ズーム(12-32mm)と25mmの単焦点レンズのカップリングなのだ。
24-64mmのスナップ用ズームレンズと、50mmF1.7の背景がぼける標準レンズである。製品のターゲットがはっきりしたよい構成だ。「背景がぼける写真を撮りたい」というニーズに応えたのだ。
25mmF1.7でポートレート。マイクロフォーサーズだと背景がボケすぎないので扱いやすい。F1.7なので暗い室内でも扱いやすいし。ただこのレンズは手ブレ補正を持たないので、ここは頑張ってボディ内手ブレ補正にしてほしかったと思う(50mm相当 1/60秒 F1.7 ISO1600)
ISO感度は200から25600(拡張感度としてISO100も指定可能)。シャッタースピードはメカシャッターは1/500秒、電子シャッターへの自動切り替えをオンにすると1/16000秒。メカシャッターは1/500秒どまりにしてそれ以上は電子シャッターに任せちゃうという割り切りがいい。
ISOオートだとデフォルトではISO3200まで。このくらいが常用感度と考えていいだろう。ディテールはざらつくが問題なく使えるレベルだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.