パーソナルな衣類のコンシェルジュサービス
発表会で披露されたのは、「airCloset」(エアークローゼット)というサービースとの連携でした。エアークローゼットは、日本で初めて普段着に特化した月額制の衣類レンタルサービス。ユニークなのは、ユーザーが好みの衣類を指定して借りるのではなく、プロのスタイリストがチョイスした服が毎月3着ほど送られてくること。3着のうち1着は“チャレンジ枠”になっていて、それまで自分が手を出してこなかったタイプの服に出会えたりするのも魅力だそうです。
エアークローゼットは約300のアパレルブランドから衣類を調達しており、総数は10万着に及びます。また登録スタイリストも百数十人という規模を誇り、約11万人の会員に向け、毎月新しいアイテムやコーディネートを提案しています。衣類の返却期限は設定されておらず、月額料金を支払っている限り使い続けられます。気に入った場合は買い取りも可能です。
このサービスとランドロイドの衣類データベースを組み合わせると、例えば「データベースから良く着る服、逆にあまり着ていない服を抽出し、その着こなしやコーディネートをスタイリストが提案する」といったサービスが考えられます。コーディネートのために必要なアイテムはエアークローゼットで送られてくるので手間いらず。まさに「衣類のコンシェルジュサービス」(airClosetの天沼聡社長)です。
Alexaでランドロイドを操作
発表会にはCerevoの岩佐琢磨社長も登壇しました。Cerevoといえば、IoTを軸にユニークな家電を発表し続けている日本のスタートアップ。最近では「1/8 タチコマ」が話題になりました。
Cerevoが今年1月にラスベガスで開催されたCESに展示したのが、話しかけると点灯&変形するロボットライト「Lumigent」(ルミジェント)。その後、Amazonの「Alexa」をサポートすることも発表していますが、このルミジェントを介してランドロイドを音声操作できるようになります。もちろんAlexaの日本語対応が前提ですが。
例えば、「あとどのくらいでたたみ終わるの?」と聞けば、「あと1時間です」などと答えてくれます。わざわざスマホを取りに行く必要もありません。岩佐社長は、「いままでも音声認識技術はあり、出ては消えていったが、今回は違うと思う。それは、相手に知性があれば(音声操作が)恥ずかしくないから。すぐに返答を返してくれるAlexaは、これまでの技術とはだいぶ違うのではないか」と話していました。なるほど頷けます。
とても便利なランドロイドですが、やはり気になるのは価格でしょう。185万円という値段では、余裕のある家庭にしか導入できません。この点についてセブン・ドリーマーズの阪根社長は、「遠くない未来、世界中の人たちが食器洗い機を求めるような価格で購入できるようにしたい。何年後になるかは分からないが、数さえ出れば安くできる設計にはしている」と話していました。量産効果で安くなる可能性もある、ということですね。
ランドロイドは5月30日から限定予約を開始し、その順番で9月下旬頃に正式な受注を受け付ける予定です。出荷は「その数カ月後になる」見込み。早ければ年内、遅くとも来年には“夢の全自動洗濯たたみ機”が一般の御家庭に届くことになります。早く量産効果が出るよう、たくさん売れることを祈りましょう。
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