STN【えすてぃーえぬ】

【国内記事】 2001年2月19日更新

 STN(Super Twisted Nematic)は,単純マトリックス方式とも呼ばれ,画面の縦横に配置された電極によって画素を点灯させる。アクティブマトリックス方式に比較して製造コストは安くなるが,画像に影(シャドーイング)が発生しやすく,画素が多くなるとコントラストが悪くなるという欠点を持つ。

 そこで,画面全体を上下に二分割して駆動する,DSTN(Dualscan Super Twisted Nematic)が開発されている。コントラストが改善されただけでなく,分割して駆動することで表示が高速化されるというメリットもある。

 STNの原理としては,電流を導くための導線を格子上に張り巡らせておき,縦横それぞれのタイミングを合わせて電気信号を送ることで,交差する場所の画素を点灯させるというもの。導線となるX電極は液晶セルの下の基板に,Y電極は上の基板にそれぞれ取り付けられている。

 もっともSTNは電子手帳などに使われているTN(Twisted Nematic)方式に比べると,かなりのハイコントラストであり,また大容量表示が可能になっている。画面の色調はTNのような白・黒ではなく黄緑・濃紺となり,モノクロ画面のワープロ機などに主に使用されている。逆に白と黒の表示ができないことから長らくカラー化ができなかった。現在は液晶の複屈折をカラー表示に利用するECB方式や,STN用のカラーフィルターも開発され,カラーSTNやカラーDSTNなどが登場している。

 STNの改良型として,DSTNに使われる補償セルをプラスチックフィルムに置き換えたTSTN(Triple Super Twisted Nematic)や,1枚の補償フィルムにしたFSTN(Film Super Twisted Nematic)などがあり,白黒表示を実現するとともに,カラーフィルターを取り付けることでカラー表示を可能にしている。

(図版:http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/llt180a/image/stn-a.gifより)

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[江戸川,ITmedia]

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