Bluetoothから燃料電池まで──東芝の先端技術

東芝は1月30日,東京青梅に完成した開発棟を記念して,技術展を開催した。全60点にもおよぶ東芝の先端技術を,写真を中心に紹介しよう。

【国内記事】 2002年1月30日更新

Bluetooth「決済トランザクションプロファイル」をデモ

 Bluetooth製品を出しているメーカーは数多いが,東芝はBluetoothの旗振り役ともいえる,プロモータ9社のうちの1つ。単にBluetooth製品を発売するだけでなく,次世代Bluetoothの規格につながる開発を行っている。


 こちらは,携帯電話とPOSレジをBluetoothでつなぎ,携帯電話をポイントカードや電子クーポン代わりに利用できるというもの。POSレジで支払いを行い,Bluetoothで携帯と接続すると(数秒かかる),ポイントが携帯に蓄積される。

 「Bluetoothバージョン2で採用予定の,決済トランザクションプロファイルに準拠し,セキュリティが強化されている」(東芝)。将来的には自動販売機や自動改札機への適用も検討しているという。

 ただし,このような使い方には,Bluetoothの接続時間を従来よりも高速化する必要があるだろう。東芝では「(現状のBluetoothは)接続までに10秒程度かかるが,これを5秒程度に短縮するのを目的としてチップを開発した。規格として採用されるようBluetooth SIGに働きかけていく」としている。

動画ならお任せ? MPEG-4 LSI「T3」

 次世代携帯電話の主要なアプリケーションといえば“動画”。そしてその圧縮方式はMPEG-4だ。東芝の「TC35273XB」(通称T3)は,1チップであらゆるMPEG-4アプリケーションに対応するチップだ。


T3をPCに接続して,2台のCCDカメラと液晶ディスプレイを使い,擬似的にテレビ電話環境が構築された

 一口にMPEG-4といっても,それぞれが同じもので互換性があるかというと間違い。映像処理の部分はMPEG-4でほぼ同じだが,音声処理の部分は各社ばらばらだ。例えば同じMPEG-4を謳うNTTドコモの「iモーション」とKDDIの「ezmovie」だが,iモーションは音声にAMRという方式を,ezmovieではMP3/QCELPを使う。

 さらに,動画と音声を同期化する多重化や,ファイルフォーマットもさまざまな種類がある。携帯でのテレビ電話の標準方式である3G-324Mでは,映像にはMPEG-4(H.263)を使うが,音声はAMR,多重化にはH.223を利用する。

 T3は映像コーデックとしてMPEG-4,音声コーデックはAMR,AAC,MP3,WMAに対応。H.323多重分離をサポートするほか,3G-324MやMP4ファイル形式,ASFファイル形式をサポートするミドルウェアも提供される。

 つまり,テレビ電話用として利用できるのはもちろん,iモーションの再生にもezmovieの再生にも活用できるのだ。実際,現在唯一のezmovie端末「C5001T」にはT3のエンコーダ部分を省いたLSIが搭載されている。

 チップ自体はRISCをベースに,DCT処理や動きベクトル処理が専用回路として搭載されているという。「消費電力とパワーのバランスがウリ」と東芝が説明する通り,動作時80mWという低消費電力を誇る。

 今後は,その多様なMPEG-4への対応を活かし,MPEG-4カメラやモバイルテレビの“コア”としての活用法を探っていくという。

激しい振動にも耐える,小型HDD

 “HDDは振動に弱い”。そんな話も過去のものになるかもしれない。参考展示されていた高耐震小型HDDは,ランダムな振動を与えても,ヘッドの位置決めをリアルタイムに補正し,性能を落とさないモバイル向けの2インチHDDだ。


2台のHDDにランダムな振動を与えているデモ。それぞれのHDDから動画が再生されていた。左の通常のHDDは振動が来ると読み出しを中止するため,コマ落ちがひどい。右の高耐震小型HDDでは,何事もなかったかのように滑らかに再生される

 「振動を検知し,パターンを学習。リアルタイムにヘッドの位置決めを補正することで耐震性能を向上させた」(東芝)

 デモで与えていた振動はそうとう激しいもので,“こんな振動でもHDDは壊れないんだ!”と感心するほどのもの。残念ながら,特殊なハードウェアを利用しているのかどうか,価格がどの程度になるのかなどは教えてもらえなかった。

モバイルにこそ,燃料電池?

 最後に,モバイル機器の自由度を大きく広げるかもしれない燃料電池を紹介しよう。東芝が今回展示した燃料電池はメタノールを燃料とし,アドバンストリチウムイオン電池の5〜10倍の高エネルギー密度を可能としている。


 東芝のPocket PC「GENIO e」が,燃料電池によって動作していたというのだが,残念ながら撮影時には“燃料補給のため”運び去られていた。左隣にはノートPC向け燃料電池のイメージモックがあったという。ノートPC向けは,PCの下に敷くいわゆる“座布団型”で,通常のバッテリーに取って代わるものではないようだ。


 説明員によると,現時点では,燃料電池によってGENIO eを約2時間動作させられるという。

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[斎藤健二,ITmedia]

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