AirH"128Kbpsでどのくらいスピードが出るか,自分で確認する方法(3/3)
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どうしてAirH"は安いのか?
全国で使えるワイヤレスインターネット接続サービスであるAirH"がサービス開始されて半年以上が過ぎた(2001年5月の記事参照)。当初バックボーンの帯域が足りないといった問題もあったが,DDIポケット,ISPの努力もあって,サービスそのものは順調に推移しており,DDIポケットも2001年末には契約者が純増に転じたのは記憶に新しい(2001年12月の記事参照)。
AirH"はDDIポケットのインフラで余剰となっていたリソースをうまく利用したサービスだ。端末−基地局間は従来制御用に使っていたチャンネルを利用し,基地局−バックボーン間もやはり制御用のチャンネルを利用する。悪い言い方をすればバックボーンとなるIPネットワーク以外は余剰リソースだけを使ったサービスだが,これによって「つなぎ放題コース」は5800円/月という完全定額料金を実現している(2001年5月の記事参照)。
「ネット25」では64Kbps接続時のみ従来の音声やデータ通信(以下既存サービス)で利用していたチャンネルも利用する。こちらも原則としては既存サービスに優先してチャンネルが割当てられるので,元々DDIポケットが所有する(つまり追加コストが発生しない)端末−基地局間はチャンネルをフルに利用し,基地局−バックボーン間だけはDDIポケットからNTTへのレンタル料(ISDN回線利用料金)が発生する。このためつなぎ放題にはできない。
AirH"が素晴らしいのはインフラへの追加投資を最低限に抑えてサービスを実現できたことだ。基地局はソフトウェア改修だけで済み,IPネットワークを構築しただけでAirH"は実現されている。これはDDIポケットが開業当時から利用している高性能基地局の賜物だ。
NTTドコモの「P-P@c」もAirH"と似たようなサービスだが(2001年11月の記事参照),こちらはAirH"ほど既存サービスとの切り離しができていない。NTTドコモでは基地局の改修なしに端末−基地局−バックボーン間で余剰リソースを活用できないからだ。そこで既存のデータ通信サービスの経路を途中からIPネットワークへ切り離したのが「P-P@c」であり,今のところAirH"のようなつなぎ放題サービスは期待できない。
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[坪山博貴,ITmedia]
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