Pocket PCにも“使える”手書き認識ソフト「Decuma Japanese」登場

スウェーデンのDecumaが開発した手書き認識ソフトは,高速・高認識率を特徴とする。Pocket PC 2002対応版が,jornada 568に付属して登場した。

【国内記事】 2002年3月5日更新

 スウェーデンのDecumaが開発した「Decuma Japanese」は,Pocket PC 2002上で動作する手書き文字認識ソフト。日本ヒューレット・パッカードが3月2日から実施している「“入力”ならジョルナダキャンペーン」期間中,「hp Jornada 568」にバンドルされる(2月28日の記事参照)。

 Decumaは,スウェーデンの数学者が1999年に立ち上げたベンチャー企業。Geometrical Invariant Technology(GTI)と呼ばれる技術に基づいて,Decumaの認識エンジンは開発されたという。書かれた文字を,大きさ,流れ,方向に関わりなく認識すると謳っている。

 悪筆でも読みとれる精度の高い認識技術であるほか,言語および文字システムがエンジンから独立しているのが特徴。もとはラテン語バージョンだが,現在中国語バージョン,日本語バージョンが登場している。韓国語バージョンの開発も検討しているという。「日本語バージョンは6カ月で開発できた」(Decumaマーケティングマネジャー兼セールスエンジニアのAnders Berglund氏)


 その動作は,機敏で高精度。実際に動作しているjornada 568に触れる機会を得たが,Pocket PCに標準で付属する手書き認識ソフトとは雲泥の差だった。Windows CEに詳しい関係者は「今ははすべてのメモをDecumaを使って取っている」と,実用に耐える認識エンジンであることを強調していた。

 「CPUのパフォーマンスの違いもあるが,ザウルスの認識よりも高速。認識精度はまだザウルスのほうが上かもしれない」(同関係者)

 Decumaのエンジンは,jornadaに使われているStrongARMのほか,ARM7,MIPS,DragonBallに対応。先日日本での展開を発表したBluetooth内蔵ペン「アノトペン」にも,認識エンジンとして使われているという(2月28日の記事参照)。また,米国で販売されているカシオ計算機の「BE-300」には,Decumaエンジンが採用されている。

 なお,Decumaは,Palm OSへの対応も示唆したが,具体的な時期などは明らかにしなかった。また,Decmaは,このエンジンを基本的にOEM向けとしており,コンシューマー向けパッケージ販売の予定はないという。


入力した文字はインク跡と同じ場所で認識される。認識された文字が異なっていた場合,ボックス右下のボタンで複数の候補から選択できる。すべて認識可能な標準モードのほか,ひらがな/カタカナ,英数字を入力するための専用モードも備える

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[斎藤健二,ITmedia]

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