CDMA2000 1xで,さらに高速化したPacketOneの実力は?(2/3)

【国内記事】 2002年4月8日更新

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パケット通信では,有線でも(パケット通信部分の両端で)送信側が送信データが一定量に達するか,一定量に達しない場合は一定間隔でデータを送信するため,遅延が発生しやすい。さらにこのパケット通信を有線よりずっとデータの流れが不安定な無線で行うのだから遅延は避けられない。

 筆者宅のADSL(so-net/Acca)と比較するとZDNetに対するpingコマンドでのパケットの到達時間はADSLが10〜20msなのに対し,PacketOneでは321〜460msだからかなりレスポンスは悪い。

 ただし,少量のデータが散発的に送受信されるWindowsMessengerを利用していても特にメッセージ送受信のレスポンスは悪くはなく,メッセージがまとめて送られてくるような症状も見られない。無線部分のパケット通信としてのチューニングは適切だといえるだろう。


上段がPacketOne,下段がADSLでのping実行結果。無線+パケット通信ということでやはり遅延は大きい

高速移動中の通信速度はどうか

 PHSではなく携帯ベースのデータ通信を利用するメリットに挙げられるのは,やはり高速移動中の利用だ。PHSと比較すると基地局配置の関係から元々ハンドオーバーの頻度が少なく済む上,cdmaOneやFOMAではソフトハンドオーバーを採用しているため,極めてスムースにハンドオーバーが行われる。

 テスト場所は以前「パケット対応モバイルインターネット接続を徹底チェック」や「AirH"128Kのハンドオーバーを試す──高速移動時のパフォーマンス」で利用した首都高速のコースを利用した。辰巳SAを起点に深川線から箱崎ジャンクション,中央環状線外回りから台場線,湾岸線を経由して辰巳SAに戻る経路だ。

 深川線は住宅地の高い位置を,中央環状線は都心部の半地下を通過すると共に短いながらトンネルもあり,さらに台場線のレインボーブリッジは見通しが良すぎて多くの基地局からの電波を拾いすぎ,携帯電話の難所にもなっている。

 受信状態はタブブラウザである「Donut P」を用い,ZDNetの3つのページに対して15秒間隔でリロードを繰り返すようにし,パフォーマンスモニタで秒当たりの受信データ量を監視し,記録した。

 結果はグラフも参照してほしいが,60〜100km/hという高速な移動速度にも関わらず平均45.3Kbpsの受信速度で,Webブラウズも十分実用に耐える水準だった。秒単位で見るとそれなりに受信速度の上下動はあるものの,受信データ量のグラフを参照していただくとわかるようにトータルで見ればデータの受信速度は大きく変動せずかなりスムーズだ。



 データ受信が完全に途切れた時間は最大17秒間であり(2回の内1度は汐留トンネル内),後は数秒単位で途切れただけ。平均受信速度も含め高速移動中,少なくとも100km/h程度までならかなり使える,という印象だ。

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[坪山博貴,ITmedia]

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