CDMA2000 1xで,さらに高速化したPacketOneの実力は?(3/3)

【国内記事】 2002年4月8日更新

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大幅に向上した通信速度,残る課題は通信コスト

 CDMA2000 1xの導入によってPacketOneでのデータ送受信速度は大幅に向上しており,実スループットもかなり高い。現時点での新サービスのサービスエリアは限定されるが,従来からのcdmaOneのサービスエリアでも受信最大64Kbpsでのデータ通信サービスが利用可能であり,エリアの面では同じ第3世代携帯電話であるFOMAよりも圧倒的に有利だ。FOMAに依然見られるネットワークの不安定感もない。

 また,CDMA2000 1xは従来からのcdmaOne(IS-95B)をベースとしているため,昨年サービスを開始したばかりのFOMAと比較すると端末の選択肢も広く,サイズや重量も標準的だ。現時点ではFOMAのアキレス腱ともいわれている(2月8日の記事参照)待受け時間の問題もない。もちろんPDCと比較するとCDMA2000 1x対応端末の待受け時間は短いのだが,概ね200時間を越えており,一般的な使い方では日々の充電が必須といったこともないだろう。

 ではモバイルでの高速データ通信手段としてお勧めか,といわれると,やはり残る課題はその通信コストだろう。

 PacketOneはデータ量課金であり,標準で0.1円/パケット(1パケット=128バイト)。これはNTTドコモのFOMAやDoPaの標準パケット料金よりは割安だ。

 しかしWebを普通に(画像込みで)閲覧しようと思うとパケット料金はやはり高くつく。例えば高速移動中のデータ通信速度の検証に用いたZDNetの3つのページを表示するだけで送受信データ量は約600KB(約4800パケット),おおよそ480円のパケット料金がかかっている。


3つのホームページを表示させた場合のデータ送受信量。内容としては広告などもあるため画像も多いが,送受信合わせて600KBにもなる

 PacketOneではパケット料金が概ね7割引となるPacketOneミドルパックや,概ね8割引となるPacketOneスーパーパックもある。PacketOneミドルパックを利用すれば145円程度になるが,これでも決して安いとはいいがたい。

 月に万単位の通信コストを覚悟できる人以外は,「パケット料金を気にしつつ,必要な時以外はテキストオンリーでWebブラウズを行う。メール受信でも巨大な添付ファイルは受信しない」といった使い方を強いられるだろう。

 AirH"のように月額固定料金とはいかないだろうが,現状よりもっとリーズナブルな料金体系が必要だろう。そうでなければ,CDMA2000 1xでも結局は最大144Kbpsという通信速度も大きな意味を持たない。データ通信そのものは極めて快適なだけに,料金面の大幅な改善を切に望みたい。

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[坪山博貴,ITmedia]

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