Mobile:NEWS 2002年5月17日 11:15 PM 更新

海外で携帯電話を使うには──Nokiaの携帯電話レンタルサービスを試す(滞在・帰国編)(1/2)

海外旅行の際、携帯電話を使いたい人に便利なのが携帯電話レンタルサービス。NOKIAのレンタルサービスの使い勝手と最終的にかかったコストをご報告しよう

 出発編に書いたとおり、レンタルサービスで入手した携帯電話を持って、ヨーロッパに出かける機会に恵まれた。現地での体験レポートをお伝えする。

 成田を出発してからどれくらい経ったのだろう。機内はそれなりに快適ではあったが、かなりの長旅に疲れも出てくるころだ。ふと時計を見ると、日本を出てそろそろ13時間。フライトスケジュールによれば、私たちを乗せた全日空機はパリ郊外に近づいている。

 機長のアナウンスが聞こえてきた。パリの気温は22度とのことで、かなり暖かいことが分かる。窓の外から地上の景色を見ると、夕方の5時を過ぎているというのにまるで昼間のようだ。ヨーロッパでは4月から9月まではサマータイムで、夜の8時くらいまではまだまだ明るいのだ。そんな明るく暖かいシャルル・ド・ゴール空港に、飛行機は着陸した。

まずは電源のお話など

 飛行機のドアが開いて降りるまでの時間を利用して、レンタル携帯電話「NOKIA8210」の電源を入れてみる。電源は携帯の上部にあるグレイのボタンの長押しでオンになる。このボタンは小さくて非常に押しにくい。


右側に位置する三日月状のボタンが電源ボタン。指の先というより、まるで爪で押すような感じだ

 何度かトライしてようやく電源が入ると、液晶にNokiaのロゴが数秒表示され、次に待ち受け画面へと切り替わった。待ち受け時は、ディスプレイの左側に電波強度が4本、右側に電池残量が4本表示される。また、日本で試した時には見えなかったアルファベットの文字列が画面の中央上部に表示された。GSMのサービスエリア内にいるという意味なのだろう。まだ電源を入れただけだが、とりあえず使えそうな感じで一安心だ。

 ドコモのN503iSに慣れているせいか、モノクロ液晶とバックライトの暗さに違和感を感じながらも、携帯の時刻を現地時間に合わせてみた。最近は携帯電話を時計代わりに使って腕時計をしない人も多くみられる。私も今回の旅に時計の類はいっさい持ってこなかった。旅行中はこの携帯だけが頼りである。だがレンタル携帯の簡易説明書には、時刻設定や電話帳登録などの操作方法が載っていない。メニューをたどりながら試してみるしかないようだ。

初めてのGSM体験は不在通知から

 パリ在住の友人と合流するため、空港の出口に向かうが、迎えに来てくれるはずの友人の姿が見当たらない。たぶん電車が遅れているのだろう。いつも時間に追われている日本人には信じられないが、フランスのバスや地下鉄に時刻表はないそうだ。だが、20分ほど待ってみてもいっこうに現れる気配がない。そこでさっそく実験を兼ねて、友人の携帯に電話してみることにした。

 友人の電話番号はあらかじめ日本で登録済みである。このレンタル携帯はイギリス契約という仕組み上、フランス国内同士の通話でもイギリス経由の国際電話になる。そのため、友人にかけるときもイギリスの国番号44をプッシュしなければいけないようだ。簡易説明書にもそう記載されていた。だが、友人の情報によれば「ほかの国にかけるときでも国番号はいらないので、たぶん携帯の番号だけでつながる」とのこと。実際に試してみたところ、確かに問題なくつながった。なるほど、これは便利だ。

 ところが数コールしても肝心の相手は出ず、そのまま不在通知(あるいは圏外)のアナウンスが流れ始めた。アナウンスはもちろんフランス語で、何を言っているのかよく分からない。そういえば、ヨーロッパで英語を母国語としているのはイギリスくらいしかない。ヨーロッパ全体(EU15カ国、1万6千人を対象に調査)で第2母国語まで含めて、英語を話せる人は約56%(2001年2月発表)だという。観光地だからといって、決して英語アナウンスがあるわけではないらしい。

 その後、どうにか友人と落ち合うことができ、パリ市内に移動。先ほどの画面中央の表示の意味を教えてもらおうと携帯を取り出したところ、なんと空港で見た文字と違う文字が出ている。不思議に思って友人に尋ねると、これは現在のエリアでサービスを行っている携帯電話会社の名前が表示されているのだという。今は「SFR」という会社になるらしい。このSFRはフランス第2位の携帯電話会社で、世界的なハイテク会社であるSAGEMグループの一員である。

 ちなみにフランスの第1位はフランステレコムで、携帯電話は「ORANGE」というブランドで販売されている。これまで「イチネリス」「Ola」「モビカルテ」などのブランドで展開されてきた携帯電話事業を統一したのがORANGEだ。ORANGEは元々イギリスの会社だったが、フランステレコムが買収したことによって、フランス国内で48%以上のシェアを持つに至ったという。第3位にはブイグテレコムという携帯電話会社があるそうだ。先の2社に比べると、こちらのシェアは大きく落ちるそうなので、空港で見たのはフランステレコムだったのかもしれない。同様の切り替え(ローミングサービス)はドイツでも確認できた。


ドイツでのT-D1表示。D1はドイツテレコムのサービスエリア内だ。右は知人のソニー製携帯電話。彼の携帯はインターコム契約で、PHSのホームステーションのような、ホームモードになっている


こちらはドイツでのE-Plus表示。同じ市内でも場所によっていろいろ会社が変わるのが面白い

[鈴木晴代、江戸川, ITmedia]

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