Mobile:NEWS 2002年6月13日 01:35 AM 更新

bモバイルの各種機能をまとめて管理「bアクセス」

日本通信からbモバイルユーザー向けの統合ユーティリティ「bアクセス」が提供開始された。これまでOSの各機能から行っていた設定が1つのツールでできるようになった

 日本通信が提供するプリペイドの128Kbpsつなぎ放題サービス「bモバイル」。体感速度を向上させるWebアクセラレータ機能を備えるなど、オプションサービスが充実しているのが特徴だ(1月31日の記事参照)。

 しかし、それらを使いこなすためにはOSの深い階層にある設定項目を呼び出さなければならず、PCになじみのないユーザーにとっては敷居が高いものとなっていた。  そこで日本通信が提供開始したのが、インターネット接続からアクセラレータ管理、電波状況のチェックなどを1つのソフトから行えるツール「bアクセス」。このソフトウェアの使い勝手をチェックしてみた。

ユーザーの声に応えたbアクセス

 bアクセスはbモバイルユーザーなら誰でも無料で利用できる統合ユーティリティ。従来はOSの機能に依存していた設定作業などを、より簡単に行えるようにしたものだ。

 例えばbモバイルで利用可能なプロキシを利用したWebアクセラレータはかなり便利だ。しかし画像品質を落とすことで体感速度を向上させているため万能ではない。場合に応じて画像品質を使い分けたい人も多いだろう。ところがInternet Exolorerのプロキシ設定はメニューの深い階層にあり、まめに切り換えるのは面倒だ。

 そもそもプロキシの設定自体が分かりにくい。日々PCに向かい、ノートPCを持ち歩いているZDNet内ですら真面目にマニュアルを読まないと分からなかった人がいるくらいだ。

 bアクセスを利用すればワンタッチでWebアクセラレータを切り換えられる。ダイヤルアップ接続の開始もサポートしているので、立ち上げっぱなしにしておけばいい。

 筆者は以前にもこのプロキシ設定の面倒さを指摘したことがある(3月22日の記事参照)。同様の声はほかからも聞こえていた。bアクセスは日本通信がユーザーの声に応えた1つの結果といえる。

bアクセスにできること

 bアクセスには4つの機能がある。設定不要のインターネット接続、Webアクセラレータの動的切り換え、MTU/RWINの最適化(Windows 9x、Meのみ有効)、電波状況の確認だ。

 bアクセスがあればbモバイルの利用は極めて簡単になる。bモバイル通信カードをPCに取り付けてドライバを導入。あとはbアクセスをインストールすれば、事前の電波状態の確認、インターネット接続/切断、Webアクセラレータの活用、MTU/RWINの設定変更による最適化までこなせる。OS側の設定は何1つ行う必要がなく、bモバイルの接続番号すら分からなくてもインターネットにアクセスできる。

 唯一ユーザーに設定が任されるのは接続IDとパスワードだけだ。もちろん初めてbモバイルを利用する時は、接続IDの設定もパスワードの設定もいらない。仮接続用のIDとパスワードが設定されているからだ。


インターネットに接続した状態の接続タブの画面。bアクセスを利用すればOSのダイヤルアップ接続のウィンドウも開かず、スマートにインターネットにアクセスできる


bアクセスが作成し、使用するダイヤルアップ接続のエントリー。中身は空で「BMAUTODL」という名称で作成される。まずいないとは思うが、同じ名称のエントリーがないか事前に確認しよう

 機能を統合することで使い勝手も向上する。例えばWebアクセラレータの切り換えと同時にIEのキャッシュもクリアできる。キャッシュされた画像は実際にインターネットから読み出した時のWebアクセラレータの状況がそのまま反映され続けてしまうからだ。

 最も強力な、言い換えれば最も画像品質の低いWebアクセラレータ「Michelle」を利用していて、読み出したWebページをWebアクセラレータ抜きで表示したいとしよう。bアクセスでWebアクセラレータで無効にし、IEを再起動して同じWebページを再表示しても、キャッシュから読み込まれた画像は品質が悪いままだ。

 そこでWebアクセラレータを無効にすると同時にIEのキャッシュをクリアし、再び同じWebページを表示すれば画像品質は本来の状態になる。これと同じ作業をIEの機能だけでやろうとするとかなり面倒なのだ。


アクセラレータタブではWeb切り換えが可能。同時にIEのキャッシュをクリアできるので、Webアクセラレータをより有効に活用できる

 また電波状態の表示はいくつものフリーソフトが存在するが、bアクセスが便利なのは電波状態を確認したあとすぐにタブでメニューを切り換え、即座にインターネット接続ができることだ。

 フリーソフトの場合リアルタイムで電波状態の表示が可能であるなど高機能で便利な一面はあるが(bアクセスの場合、測定ボタンを押した時のみ)、電波状態の表示を無効にしてからダイヤルアップ接続を行う必要がある。電波状態を表示させるためにはbモバイル通信カードを占有する必要があるからだ。


カード情報タブで電波状態を確認できる。左から受信しているアンテナ単位で、電波強度が5段階に表示される。なお測定を押した時のみの計測で、継続的に変化を表示するタイプではない

ここまできたら、「女神」のコントロールも

 便利なbアクセスだが、唯一残念なのはメールアクセラレータ「Venus」を利用するためのクライアントソフトの制御ができないことだ。このクライアントソフトはアクセラレータ機能の自動解除機能も備えているが万全ではない。Venusが利用できない状態では1度メールサーバーにアクセスしないと、アクセラレータ機能が自動解除されないことが多いからだ。

 bアクセスからならbモバイルでインターネット接続中だけメールアクセラレータも有効にするといったことができるはず。バージョンアップがあるのならばぜひ対応してほしい。

 bアクセスで実現できることの多くはフリーソフトなどでも既に実現されている。しかし日本通信が行ったアンケートによれば、初めてのモバイル通信手段としてbモバイルを購入したユーザーが41%に及ぶ。つまり懇切丁寧なマニュアルやインストーラが必ずしも付属するわけではないフリーソフトをすべてのbモバイルユーザーが使いこなせるわけではない。

 bアクセスはアクセスラインからISPサービスまで一括提供しているbモバイルならではの便利なソフト。bモバイルユーザーなら使って導入しない手はない。

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▼ 日本通信

[坪山博貴, ITmedia]

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