128Kbps化目前,bモバイルのアクセラレータの実力を検証

bモバイルは,つなぎっぱなしの定額制だけがウリではない。Web閲覧時のパフォーマンスを向上させるアクセラレータ機能も要チェックだ。32Kbpsの現段階でのパフォーマンスの検証,128Kbpsサービス開始後も意味のあるサービスなのかを検証した。

【国内記事】 2002年1月31日更新

 日本通信の「bモバイル」は低コストでモバイルインターネットのつなぎ放題を実現しただけでなく,Webページの閲覧を快適にする独自のアクセラレータ機能も提供している。128Kbps対応を間近に控え注目を集める今,あらためてアクセラレータ機能を検証してみた。

特殊なプロキシサーバで実現したアクセラレータ機能

 「bモバイル」はDDIポケットのAirH"インフラを同社が借り上げ,独自にサービスするインターネット接続サービス(11月28日の記事参照)。現時点では最大32Kbpsのパケット通信のみだが,3月26日にはAirH"の128Kbps化に合わせて通信速度を最大128Kbpsに高速化する(1月25日の記事参照) 。

 このbモバイルで特徴的な機能が,同社が「アクセラレータ」と呼ぶ機能だ。Webページへのアクセス時のみ有効だが,通信速度が50%程度向上した場合と同じぐらいの効果があるという。言葉通りなら32Kbps接続なら50Kbps相当,128Kbps接続なら200Kbps相当の体感通信速度になるということだ。

 このアクセラレータ機能は同社の提供するプロキシサーバを経由することで実現する。Webページの本来のレイアウトや情報を壊さないように,HTML/XMLの文字情報やGIF/JPEG画像などのデータをプロキシサーバ上で圧縮しているのだ。

 圧縮といっても特殊なソフトを使っているわけではなく,文字情報では無駄な情報を省き,画像は表示品質を落として再エンコードするだけ。そもそもGIF/JPEG画像はファイルとして可逆圧縮を行ってもほとんど圧縮効果がないので,画像のイメージを壊さない範囲で,より高い圧縮率(=低い表示品質)で再エンコードする,悪くいえば情報を間引くわけだ。

 従って,アクセラレータ機能はモデムやTA,通信プロトコルが実現する圧縮機能,つまりオリジナルの情報を一切失わない可逆圧縮とは異なる。この点には十分注意が必要だ。もっともこの機能は「利用しない」という選択肢もある。変更は簡単で,同社のプロキシサーバを使うか使わないか設定するだけですむ。

アクセラレータは,どのぐらい効果があるのか

 アクセラレータの効果はどの程度なのだろう。ここではbモバイルでアクセラレータを使用した場合とそうでない場合,さらにAirH"でISPに@nifty,so-netを利用した場合でWebページへのアクセスを行い,比較を行った。AirH"を含めたのは,bモバイルのISPとしての能力も確認してみようと思ったからだ。

 比較のためにアクセスしたホームページは3つ。巨大なインターレースGIF画像が貼り込まれたページ(DDIポケットのエリアマップ),同じく巨大なプログレッシブJPEG画像が張り込まれたページ(vwalkerのオンラインコミック「ボブ&キース」),画像表示を無効にして文字情報のみとしたZDNet内の特定ページだ。

項目受信(Byte)送信(Byte)所要時間(秒)受信Byte/秒
インターレスGIFbmobile/Proxy有り141,27914,65361 2,316
bmobile/Proxy無し342,63015,314188 1,823
AirH”/@nifty342,31715,460148 2,313
AirH”/so-net346,63414,497205 1,691
プログレッシブJPEGbmobile/Proxy有り74,1247,74948 1,544
bmobile/Proxy無し138,4888,11989 1,556
AirH”/@nifty137,89710,33063 2,189
AirH”/so-net136,19410,33066 2,064
HTMLテキストのみbmobile/Proxy有り25,1201,46817 1,478
bmobile/Proxy無し25,7941,767171,517
AirH”/@nifty25,2611,652191,330
AirH”/so-net25,2691,428221,149



 表やグラフを見ていただくと分かるが,巨大なGIF/JPEG画像の張り込まれたページは,2つともアクセラレータを利用した場合,読み込み時間が劇的に短い。

 もちろんこれは,データ受信速度が向上しているわけではなく,受信データ量が小さくなっているためだ。アクセラレータを使用すると,受信データ量は巨大なGIF画像の張り込まれたページで3分の1近く,巨大なJPEG画像の張り込まれたページでも2分の1近くまで削減されている。

 文字情報のみのWebページでは,ほとんどアクセラレータの効果はない。文字情報は画像のように情報を間引くことはできないし,HTMLの特定のタグなどを排除してしまうと,ページレイアウトなどもオリジナルと異なったものになってしまうから,これは仕方ないだろう。

 物理的な通信速度に関しては,今回はAirH"+@niftyが最も安定して高速で,bモバイルとAirH"+so-netではパケットが数秒〜数十秒流れない現象が稀に見られ,ムラを感じた。検証は同じ動作を複数回行い,最も良好な結果を採用しているが,検証作業全体で見ても評価は変わらない。

 ただし接続性についてはbモバイルも特に問題は感じなかった。21時から24時といった混雑する時間帯ではリダイヤルが必要になることもあったが,この点はso-netもほぼ同様。長時間に渡ってインターネットに接続できないことはなかったので,ISPを選択できない(ISPもbモバイルしか利用できない)という点はそれほど気にする必要はなさそうだ。

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[坪山博貴,ITmedia]

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