Mobile:NEWS 2002年7月4日 09:34 PM 更新

手のひらサイズのデジタルカメラ「サイバーショットU」と「EXILIM」を徹底比較(2/3)


前のページ

カメラ性能の違い――固定フォーカスのEXILIMとフルレンジオートフォーカスのU

 カメラとしての性能はどうだろう。

 EXILIMは固定フォーカスで撮影可能距離は1メートル以上。それより離れたものなら何を撮ってもピントが合うわけだ。その分ディテールの描写力は劣るが、ピンボケの心配もないので画像メモ的に気楽に撮るにはいい。ただ、マクロモードがないので、近いものはピンボケになってしまう。これはつらい。

 サイバーショットUは10センチからピントが合う。自動的にマクロ領域までピントが合うシームレスマクロ機能を持っているのだ。これは便利。いちいちマクロモードにしなくてもいいわけだ。料理やメニュー、ちょっとした小物を気軽に撮るには欠かせない。

 顔をアップで撮るのが好きな人、料理や小物やペットを撮るのが好きな人はサイバーショットUである。

 次に画質を見てみよう。細部の表現力はサイバーショットUの方が上。EXILIMは固定フォーカスということもあり、遠くにあるものの描写はすごく甘い。発色はサイバーショットUの方が色が鮮やか目に出る傾向がある。よって、画質はサイバーショットUの方がよい。

 ただサイバーショットUの場合、夜景モード以外はシャッタースピードが1/30秒以下にならないような設計になっており、暗いときは感度をISO320まで上げて対処する。そのため、室内などでフラッシュを焚かないで撮影すると、増感によるノイズが発生する。特にこのノイズは人肌など滑らかなところで目立つので気を付けたい。

 もうひとつ、同じ130万画素ながら撮影枚数はずいぶん違う。圧縮率が異なるためだ。EXILIMの場合、画質をFINEにすると画像1枚当たり650Kバイト前後になるが、サイバーショットUの場合、圧縮率は固定で、画像1枚当たり250〜300Kバイトでおさまる。これはEXILIMでいうECONOMYモード相当で、拡大してみるとJPEG特有のモスキートノイズが発生して細部がつぶれているのが分かる。画質よりも撮影枚数優先なのだ。その分、気楽にバシャバシャ撮れる。

撮影機能の違い――露出補正のあるEXILIMとフルオートのサイバーショットU

 どちらも機動力重視のカメラなので撮影機能は少ない。それでもEXILIMは露出補正とマニュアルホワイトバランス(なんとカスタムホワイトバランスもできる)機能を持っている。撮影モードはノーマルと夜景と動画だ。フラッシュの発光モードと撮影モードはメニュー内で行う。

 サイバーショットUはボタンひとつでノーマルのほかにポートレート(ソフトスナップ)や風景(ビビッドネイチャー)、夜景(イルミネーションスナップ)に切り替えられ、フラッシュの発光モードも変えられるが、それ以外はフルオート。露出補正やホワイトバランス変更もない。カメラのコンセプトを考えるとシャッターボタンを押すだけでいいというのは悪くない。しかし露出補正くらいはほしい気もする。

そのほかの違いは?――クレードルのEXILIMと単4電池のUサイバーショットU

 EXILIMのウリのひとつにクレードルがある。クレードルに乗せるだけで自動的に充電が始まり、クレードル上で電源スイッチを押せばPCに画像を吸い上げることができる。これはとても楽だ。バッテリーは薄型のリチウムイオン充電池で、持ちも悪くない。

 サイバーショットUは単4型のニッケル水素充電池が2本と充電器が同梱される。単4型という汎用性が高いサイズで、いざとなればアルカリ乾電池を使うことも可能だ。ただ、いちいち電池を取り出して充電しなければならないのはちょっと面倒。その点ではクレードル型の方がバッテリー切れの心配はあるが便利だ。PCへの転送はUSBを使ったケーブルで行う。

 記録メディアはEXILIMがSDカード/MMCだが12Mバイトの内蔵メモリも使える。サイバーショットUはメモリースティックだ。

結論――どっちを選ぶべき?

 こうしてみると、どちらもカメラというよりは、いつでも撮れる機動力を重視した“デジタル画像メモ機”という位置づけだ。もし高画質を求めるならあと1〜2万円払って200万画素3倍ズーム機を探すべきだろう。しかし、この2機種の機動力はすばらしい。無造作にいつでも持ち歩いて、撮りたいときに何でもさっと撮れる。セカンドデジカメとしてもいい。

 では、どちらを選ぶべきか。冒頭の方で書いた「ビジネスマンに向くEXILIMとOLに向くサイバーショットU」というのはあながち間違ってないと思う。

 いつでもポケットに入れておいて、日常の一瞬を切り取るならEXILIM、カバンに入れたり首からぶら下げたりしてアクセサリー的に持ち歩き、日常のディテールを撮るならサイバーショットUである。

[荻窪圭, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページ | 2/3 | 次のページ



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!