Mobile:NEWS 2002年7月23日 09:24 PM 更新

大阪の通話障害、原因は“ワン切り”?

15日の午前10時頃から約2時間、大阪府と兵庫県尼崎市の一部で電話がつながりにくくなる障害が発生した。原因を調べていたNTT西日本は、特定の回線が1分間に20回のペースで携帯電話に発信していたことを確認した

 NTT西日本は7月23日、今月15日に大阪府下および兵庫県の一部で発生した通話障害の調査結果を公表した。通常の用途ではおよそ考えられない、機械的な大量発呼が輻輳(ふくそう)を引き起こした原因のようだ。

 通話障害が発生したのは、15日の午前10時頃。大阪府と兵庫県尼崎市の一部(市外局番が06および072)で電話がつながりにくくなった。これは、NTT西日本が輻輳の発生を確認し、通話規制をかけたためだ。同社は12時13分に規制を解除したが、およそ2時間に渡って当該エリアに住むすべての電話加入者に影響が出た。

 NTT西日本では、輻輳の原因について「一般的に通信量が最も多くなる週始めの月曜日10時であったこと、五・十日(ごとび)と呼ばれる集金・支払日であったことが重なって発生した」としている。さらに、「特定の交換機から継続的な大量発呼があり、それが移動体網(携帯電話網)への接続要求、かつ通話の成立しない(相手が出ない)不完了呼であった」という。これが輻輳の引き金を引いた直接の原因のようだ。

 通常、輻輳現象が発生するのは、災害時に連絡のために膨大な通話が発生したり、あるいは有名アーティストのチケット販売時に見られるように、特定の着信番号に接続要求が集中した場合だ。

 ところが今回は、「特定の回線から大量の不完了呼が発信されたことによる輻輳」(同社)。調査によると、不完了呼を大量発信した回線は、「1分間に20回程度のペースで発信していた」という。もちろん、これでは相手が電話に出る時間はない。

 また、手動でこのような発信を行うのは不可能だ。これらの状況からは、携帯電話に電話をかけ、着信履歴をみて発信したユーザーにわいせつなテープを聞かせて料金を請求する、いわゆる“ワン切り”の手法が浮かび上がる。ワン切り業者は、専用の発信サーバを立て、手当たり次第に携帯電話へ発呼している。

 NTT西日本では、「個々の回線の用途までは監視していないため、これがいわゆるワン切り業者なのかは分からない」と慎重な構えだ。しかし、当面の対策として、既に特定されている(不完了呼を大量発信する)回線に対して監視を行い、異常を確認した場合は「その回線に対して規制をかける」方針を明らかにした。

 「われわれはネットワークを守る義務がある。今回のケースでは、契約約款の解釈の中で対応(規制をかけること)が可能だと考えている」。

 さらに抜本的な対策として、機械的不完了呼の発生を短時間で検出する技術の開発と、関係通信事業者と連携して制度面を含めた対処策を検討することも盛り込まれている。具体的には、「法制度の整備を求めるため、総務省などに働きかける可能性がある」という。

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▼ NTT西日本
▼ ニュースリリース

[芹澤隆徳, ITmedia]

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