Mobile:NEWS 2002年8月1日 04:31 PM 更新

2スロット+Bluetoothの意欲作〜「Pocket LOOX」インプレッション(3/3)


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オリジナルソフトとバンドルソフト

 メモリカードへのバックアップソフトや自己診断ソフトは、本製品でもROMに内蔵している。「LXメニュー」というタブ切り替え式のアプリケーションランチャーも搭載されており、これは動作中のアプリケーションを切り替えたり、強制終了させたりといったタスクマネージャー機能も兼ねている。


LXメニューではジャンル分けしてプログラムを登録できる。タブごとに壁紙の設定もできる(左)。LXメニューからはタスクの切り替えや終了が可能。プログラム自体に終了という概念がないPocket PCでは必須の機能だ(右)


LXバックアップツールではCF、SDのどちらのメモリカードにもバックアップが可能(左)。LX診断ではハードウェアのセルフテストが可能。メッセージなどが丁寧で分かりやすいのはいかにも富士通らしい(右)

 面白いのは自動起動編集ツールだろう。これはメモリカードに「autorun.inf」ファイルを作成することでメモリカード挿入時にアプリケーションを自動実行させる機能。メモリカードごとに設定できる。

 音楽ファイルや動画ファイルを保存しているメモリカードではメディアプレイヤーが自動起動するようにとか、デジカメで使っているカードは画像表示ソフトが起動するにといった設定ができる。


自動起動編集ツールではメモリカードごとに自動起動するアプリケーションを1つ設定できる。メモリカードを用途ごとに使い分ける人には便利な機能

 バンドルソフトは豊富だが、「富士通ならでは」といったソフトは特にない。「乗換案内 for WindowsCE」「モバイルアトラス for FUJITSU」「LXイメージビューア」「T-Time for PPC2002 Ver.3.2」など、Pocket PCとして定番のソフトがバンドルされている。

出来のよい接続ケーブルと出来の悪いクレードル

 PCとの接続ケーブルが標準で付属しているのは気が利いている。クレードルからの分離が可能で、携帯してもさほど邪魔になるタイプではない。

 クレードルの作りには不満が残る。座りはいいが安っぽく、乗せるというよりは、はめ込むタイプ。クレードルをしっかり押さえて両手を使わないと取り外しできない。


付属のUSB接続ケーブルはクレードルとは独立したタイプで本体に直結できる。このままモバイル用にも十分使える。単体でも3000円程度で販売されるようだ


使い勝手がよいとはいいかねるクレードル。本体を外すときには「クレードルを片手で抑えて本体をもう片手で抜く」といったアクションが必要


付属のソフトケース。薄いクッション材が入り、前面はプラスチックプレートで強化されている。本体よりもひと回り大きく、少々かさばる

カジュアルデザインのPocket PC

 Pocket LOOXはデザインも特徴的だ。全体に丸みを帯びたラウンドフォルムであり、同社のモバイルPC「LOOXシリーズ」と共通のツートンカラー。デザインも(モバイルPCの初代モデルと)共通した雰囲気だ。ビジネスユーザーが持っていて気恥ずかしくなるデザインではないが、かなりカジュアルな印象を受ける。

 ほかの国内メーカーのPocket PCは、直線を基調にしたビジネスライクな雰囲気でメタリック調の機能美を感じさせる、いかにも男性好みといえるデザイン。本製品のデザインとは対照的だ。

 もちろん個人の好みの問題も大きいが、Pocket PCで比較的カジュアルデザインなのは本製品とHP Jornadaシリーズのみで、そのJornadaシリーズもHPとCompaqの合併で消え行く運命にあるようだ(iPAQに統合される予定)。

 市場に受け入れられるかどうかはまだ分からないが、本製品はデザインからの選択肢が増えるという意味で面白いアプローチになりそうだ。

 なおデザイン面などは以前の試作機のレビュー(3月12日の記事参照)も参照してほしい。ごく一部を除けばサイズ、デザイン共にほとんど変更はない。


筆者の初代iPAQ Pocket PCと並べたPocket LOOX。サイズはほぼ同等だが、画面はわずかに小さい

Bluetooth内蔵で6万5000円前後の予想価格は魅力

 Pocket LOOXは、ほかの国内メーカー製Pocket PCと比べ、取り立てて欠点と思える部分はない。別売のバックパック形状の増設バッテリーを使えば、最大20時間という長時間動作も可能だ。

 あえて欠点を挙げるなら専用のデータ通信ケーブルがサポートされていない点だろうか。Bluetooth以外では、データ通信はCFスロットを使うことになる。音声通話用の携帯電話やPHSをそのままデータ通信にも利用する場合、かさばる通信カードを持ち歩かざるをえないのだ。

 価格設定はかなり魅力的。量販店での予約価格は6万5000円前後で、これはBluetooth内蔵の「iPAQ Pocket PC 3850」(ダイレクトプラス価格7万9800円)より格段に安く、Bluetoothを内蔵していないXScale搭載機「GENIOe 550G(市場価格6万7800円)」より安価。つまりBluetoothを抜きにしても魅力的な価格設定なのだ。

 純正オプション類の価格設定も、かなり良心的。量販店での予価がUSBケーブルが3000円程度、大容量バッテリーが9000円前後というのは、純正オプションとしては悪くないプライスだ。

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関連リンク
▼ Pocket LOOX製品ページ

[坪山博貴, ITmedia]

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