Mobile:NEWS 2002年8月21日 08:49 PM 更新

「N504i」の日本語入力を解剖する(3/3)


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固定入力で読みを入力しよう

 T9の辞書には人名を含めてかなりの読みが登録されているが、それでも固有名詞や口語的な言い回しなど辞書にないものがある。そうした読みを入力するときに使うのが固定入力機能だ。

 例えば「ポカパマズ」という人名を入力するとしよう。「ばかばまざ」と入力してみても「べきばまじ」という候補(こんな読みは辞書になくてもよさそうなものだが)しか表示されない。そこで[*]ボタンを押すと固定入力モードになるので、[0][1][6][1][3]を連続して押せば「ぽかぱまず」という読みが得られる。

固定入力で「ポカパマズ」を入力する

 固定入力には別の使いかたもある。読みの一部だけを固定して読み候補を絞り込むこともできるのだ。

 「結果でね」を変換したくて「かたかだな」と入力したら307種類の読み候補が表示されてしまった。ここで[*]を押して固定入力モードに移り、[4]を1回だけ押して[*]で固定入力モードを抜けてみよう。すると先頭の文字が「け」に限定され、候補数が29に激減する。読みを調整するよりこのほうが簡単だ。

日本語T9に未来はあるか?

 いろいろと脅かすようなことを書いてきたが、T9でしばらく入力していれば、読み候補の選択をわずらわしく感じる場面は一日にほんの数回あるかないかまで少なくなる。頭を使う割合は少し増えるかもしれないが、キー入力が激減するのは大きなメリットといえよう。

 日本語T9は製品化までに改良を重ねてきたとはいえ、実用化されてからまだ日が浅い技術だ。N504iも国内での採用としては、J-フォンの「J-DN31」に続き、2機種目に過ぎない。特に辞書についてはまだまだ改善の余地がある。例えば100個め以降の読み候補はばっさり削ってしまってよい。そこまでは誰も見ないからだ。また候補順序についてももっと熟成してほしい。

 T9による日本語入力には新しい可能性が感じられる。N504iにはT9を活かすだけの性能があるのだから、N504iユーザーの方にはぜひ一度はお試しいただきたい。

入力履歴を活用するワード予測

 昨今の携帯端末では予測入力がトレンドだが、この機能を完成の域にまで高めたソニーの「POBox」を除けば、多くは1文字入力後に予測ボタンを押して変換履歴を表示するタイプだった。この手の省入力機能はあまり使い勝手がよくないし、活用できる場面もそれほど多くない。

 N504iで搭載されたワード予測では、1文字入力すると候補画面が開いて予測候補が表示される。その予測候補が不要ならそのまま入力を続ければよいし、使いたければ[電話帳]ボタンを押してからカーソルボタンで候補を選び、[決定]ボタンを押せば確定入力される。予測候補に続く変換履歴があるときは、履歴候補が表示されるので、そのまま続けて確定入力することもできる。これは使い勝手がよい。


[電話帳]ボタンで予測候補を選ぶ(左)。確定すると履歴候補が表示される(中)。続いて履歴候補を選ぶ(右)

 残念ながら予測候補が利用できるのは、かな入力と2タッチの漢字全角入力モードだけであり、T9では履歴候補のみ有効になっている。

特定ジャンルの変換に便利なダウンロード辞書

 N504iではiモードサイト「みんなNらんど」から辞書をダウンロードして使えるようになった。辞書ファイルは最大5件まで登録でき、そのうち2つを選択してかな漢字変換に利用できる。

 現在のところ用意されている辞書(8月5日更新)は「IT用語辞書」「競馬辞書」「顔文字辞書1」「顔文字辞書2」「ケータイサイト辞書」「タレント辞書」「スポーツ辞書」「いまどき用語辞書」「スポット辞書」の9種類だ。例えばケータイサイト辞書はiモード公式サイトの名称を集めた辞書で、「みんなNらんど(みんなえぬらんど)」「Disney-i(でぃずにーあい)」などが登録されている。

 これらはいずれも小規模な辞書であり、利用できる場面も限られるが、自分の目的にあった辞書が数多く用意されるようになれば使いものになるだろう。


辞書ダウンロード画面(左)。辞書設定画面(右)



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[太田純, ITmedia]

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