「N504i」の日本語入力を解剖する(3/3)
T9の辞書には人名を含めてかなりの読みが登録されているが、それでも固有名詞や口語的な言い回しなど辞書にないものがある。そうした読みを入力するときに使うのが固定入力機能だ。 例えば「ポカパマズ」という人名を入力するとしよう。「ばかばまざ」と入力してみても「べきばまじ」という候補(こんな読みは辞書になくてもよさそうなものだが)しか表示されない。そこで[*]ボタンを押すと固定入力モードになるので、[0][1][6][1][3]を連続して押せば「ぽかぱまず」という読みが得られる。
固定入力には別の使いかたもある。読みの一部だけを固定して読み候補を絞り込むこともできるのだ。 「結果でね」を変換したくて「かたかだな」と入力したら307種類の読み候補が表示されてしまった。ここで[*]を押して固定入力モードに移り、[4]を1回だけ押して[*]で固定入力モードを抜けてみよう。すると先頭の文字が「け」に限定され、候補数が29に激減する。読みを調整するよりこのほうが簡単だ。
いろいろと脅かすようなことを書いてきたが、T9でしばらく入力していれば、読み候補の選択をわずらわしく感じる場面は一日にほんの数回あるかないかまで少なくなる。頭を使う割合は少し増えるかもしれないが、キー入力が激減するのは大きなメリットといえよう。 日本語T9は製品化までに改良を重ねてきたとはいえ、実用化されてからまだ日が浅い技術だ。N504iも国内での採用としては、J-フォンの「J-DN31」に続き、2機種目に過ぎない。特に辞書についてはまだまだ改善の余地がある。例えば100個め以降の読み候補はばっさり削ってしまってよい。そこまでは誰も見ないからだ。また候補順序についてももっと熟成してほしい。 T9による日本語入力には新しい可能性が感じられる。N504iにはT9を活かすだけの性能があるのだから、N504iユーザーの方にはぜひ一度はお試しいただきたい。
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