カメラがJavaから操作可能に?〜ケイラボ、mobidec「Javaからカメラの操作が可能に」「バーコードリーダ機能搭載機が年内に5機種」「来年発売の端末ではOCR機能が必須」──。Java開発企業として関係各社のコンサルティングにも携わるケイラボが、今後の携帯カメラの動向を明かした
「この秋口以降、Javaからカメラをいじれる端末も登場する──」。ケイ・ラボラトリー社長の真田哲弥氏が8月30日、mobidec 2002で講演、カメラ機能とJavaの関係について予言した。 概要は以下の通りだ。
ケイラボはカメラで撮影した画像にフレームやスタンプを付けるサービスを開発、コンテンツプロバイダに提供している。ただし現状は「どのキャリアでもJavaから画像を操作することができないのが問題点」(真田氏)だ。 撮った写真をいったんサーバにメールで送って加工、もう一度メールで受け取るという手間が発生している。Javaから画像が操作できれば、サーバを経由することなく“画像加工Javaアプリケーション”によってフレーム付けなどが行えるようになる。 そもそも画像が保存されている端末内のストレージ(メモリ)をJavaから参照できないのはセキュリティを考えてのことだ。特にドコモのJava仕様では、端末内データへのアクセスは基本的に行えない。しかし「これは徐々に変わっていく。秋口以降、Javaからカメラをいじれるようになる」(同氏)。
携帯内蔵カメラの進化はさまざまな方向が予想されている。しかし真田氏の予測は「携帯の場合、画素数で競争しても仕方がないのではないか」というもの。代わりに競争の対象となるのが、“画像保存枚数”だ。 既にSDカードスロットを搭載したカメラ内蔵端末が3機種(未発売も含む)(8月29日の記事参照、8月26日の記事参照)、メモリーカードDuoスロット搭載端末が1機種発表されている(7月22日の記事参照)。今後もこの流れは止まらず、来年発売の端末には、メモリカードが必須となると真田氏は言う。「SDカードやDuoのスロット搭載は、カメラがもたらした恩恵だ」(同氏)。 せっかくメモリカードを載せるなら、撮った画像を保存するだけでなく、最初からメモリにデータを載せておいて使おうという発想が出るのは当然のこと。関係各社では、「現在、HTMLは入れられないのか、Javaはどうか? と攻防中」だという。 メモリカードに入れたJavaアプリケーションが動作するようになれば、「コンテンツプロバイダのビジネスモデルが一変する可能性がある」と真田氏。ソフトウェアをメモリカードに入れてパッケージ売りを行うなど、キャリアの課金システムに依存しないビジネスが実現する可能性があるわけだ。 また、保存枚数の増加によって“ファイルマネジメント機能”が重要なポイントになると真田氏は見ている(7月8日の記事参照)。「画素数より、使い勝手はここで決まる」。この部分も、Javaを利用することでアルバムソフトなど、閲覧・検索性に優れたアプリケーションが登場する可能性がある。「いくつかの情報を画像と同時に保存することで、検索性を向上させるJavaアプリケーションも考えられる」(同氏)。
カメラといえば写真を撮る機能ばかりが強調されるが、「カメラは顔を映すものから、接写で文字や記号を写すものになる」と真田氏。
端末の進化は、そろそろリッチメディア競争を抜け、“便利競争”の時代に入ると真田氏は考えている。そこで最大の課題となるのが入力系だ。果たしてバーコード認識機能は入力系の救世主となるか…… 各端末が対応してくると見られるのが、バーコードおよび2次元コード(QRコード)認識機能、そしてOCR機能だ(8月1日の記事参照)。「年内に5機種、来年の夏以降は、どのキャリアでも事実上標準に近い機能に」(同氏)。うち年内に出る1機種は、OCR機能も備え、印刷された文字をそのままデジタルデータとして読み取ることができるという。 真田氏がバーコードにこだわるのは、“携帯の最大の課題が入力系”であるという考えから。ダイヤルキーを押して操作する代わりにバーコードによって複雑な機能を使えるようにすることで、「デジタルデバイドの溝を埋められる」と真田氏は期待している。 バーコード認識機能の普及で、紙メディアとネットを連携させた新たな可能性が開けることは以前から指摘されていた。真田氏はバーコード読み取り機能により、「ユーザー課金モデルから脱却するビジネスモデルが発生するはず」と想定している。
ケイラボが想定するバーコード認識機能の使い道。「携帯のマニュアルに2次元バーコードを掲載して、カメラでそれを認識させると、機能設定が簡単にできる」というアイデアも提示されたが、「この機能を載せた端末は今のところない」とも なお、外部との入出力装置としては、バーコード以外に赤外線やBluetoothなどの名前が挙がることも多い。しかし赤外線機能にはハードウェアの追加が必要なのに対し、カメラは今後ほぼ100%搭載され、ソフトウェアの追加だけで対応できる。「赤外線よりもバーコードリーダーの普及率のほうが高くなると思う。来年末にはカメラ内蔵端末にはバーコードリーダー機能が付くのが普通になる」と真田氏は見ている。
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