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2002年10月15日　11:36 PM 更新

端末としての質的改善を進めた「KX-HV210」（2/2）

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改善された機能、削られた機能

　メール関連以外はほとんど変更されていないが、それでも若干の改善されたり削られたりした機能がある。着信音の選択がその一例。KX-HV200では一覧で上下キーで移動するたびに着信音を再生していたが、本機ではこれが移動してから再生キーを押してはじめて再生するようになった。選択時の上下キーに対するレスポンスも向上している。

着信音の選択一覧では左ソフトキーに「再生」が割り当てられた。項目を移動するたびに再生してしまうよりはスマート

　発着信履歴も改善された。KX-HV200では電話帳の登録名だけが表示されてしまい、複数の電話番号を登録した相手では発着信したのか、どの番号からか分からなかった。本機では詳細ボタンを押すことで登録名と共に電話番号が表示されるようになっている。

発着信履歴は左ソフトキーで一覧と詳細画面を行き来できるようになった。電話帳は1件に複数の電話番号を登録可能なので、どの電話番号の発着信なのかを確認できるようになったのがうれしい

　ただしライトEメールの受信が1件1件電話の着信履歴に反映されたり、Eメール自動受信（エッジEメール含む）が発信履歴に反映されてしまう点は変わっていない。頻繁にライトEメールを受信したり、Eメールを自動受信していると、通話の発着信履歴がすぐに消えてしまう。少なくともEメール自動受信のための発信履歴は何の役にも立たないはずなので、改善を望みたい。

Eメールを自動受信にし、頻繁にEメールを受信していると発信履歴があっとうい間にEメール自動受信の履歴で埋まってしまう

　ライトメールを除いたメールの作成ではKX-HV200の5行表示のみから、5行または7行を選択できるようになった。見やすさを重視するか、1画面での表示文字数を優先するかが選択できるようになったわけだ。

HV210では5行表示固定だったメール作成画面は7行表示も選択可能になった。ライトメールはもともと送受信文字数が少ないので、従来通り固定のまま

　文字入力も変更点はなく日本語変換は「Compact-VJE」のまま。記号などは一覧からの選択が可能で便利だが、携帯電話ではキー操作数を減らせる予測変換などの採用も進んでおり、HV210の日本語変換機能は少々見劣りする。ユーザー辞書に関しては読みの登録が2文字から18文字へ拡大されており、より自然にユーザー辞書を利用できるようになった。

　削られた機能には、グループコールでバイブレータの種類が選択できなくなったことがある。常にバイブレータのみにしているような人には便利な機能だっただけで、なぜ削られたかは疑問だ。実は筆者もKX-HV200で利用していたのだが……。

HV210では見てのとおりグループコールでのバイブレータパターンの選択がなくなった

　筆者の個人的な不満かもしれないが、マナーモードと留守録音機能が連動しない点は変わっていない。連動して利用する人が多いだろうし、連動するかどうかを選択できればなお親切……というか当たり前の機能ではないだろうか。

　ささいなことだが充電器はKX-HV200から変わっていない。KX-HV200から本機へ機種変更すれば充電器が2つ利用できることになり、自宅とオフィスの両方に充電器をといった便利な使い方もできる。PHS端末は単体の充電器の購入が面倒（補修部品といった形で購入するしかない）なだけに、新旧製品で充電器が共通というのは意外とメリットがあるだろう。

　全体としてみると、本機はKX-HV200のマイナーチェンジの感が強いのだが、それゆえにKX-HV200の不満点が地道に改善されており、電話機としての完成度も向上している。“エッジEメール放題”目当てでなくても買って損はしない仕上がりといえるだろう。

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[坪山博貴, ITmedia]

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