Eメール使い放題端末「HV210」の“速度”をチェックする(1/2)Eメールが月額固定料金で使い放題となる“エッジeメール放題”に対応した音声端末「KX-HV210」が登場した。PCに送られてきたメールを“すべて転送する”といった使い方が考えられるが、(1)通信速度(2)メモリへの書き込み速度はどう変わっただろうか
九州松下電器製の「KX-HV210」は初のエッジeメール放題対応DDIポケット向けPHS音声端末だ(8月23日の記事参照)。通信ケーブルや通信カードを利用することでAirH"の32Kbpsパケット、フレックスチェンジにも対応する。 エッジeメール放題は月額700円でeメールが送受信し放題になるオプションサービス(8月23日の記事参照)。「エッジeメール」は送信最大約2000バイト、受信最大約20000バイト(添付ファイル最大100Kバイト)であり、音声端末で利用するeメールとしてはほぼ制限はない。なお「スーパーパックLL」プランでは月額料金は不要だ。 DDIポケットは以前から送信最大207バイト、受信最大246バイトの「ライトEメール」で受信し放題(月額300円)、送受信し放題(月額500円)をオプションサービスとして実現していた(3月25日の記事参照)。しかし送受信文字数の制限から、例えば普段PCで利用しているメールアドレスへのメールを転送するといった利用には不向きであった。 エッジeメール放題なら文字数制限を気にする必要はなくなる。普段利用しているメールアドレスへのメールを転送したり、メーリングリスト、ニュース配信などを音声端末で送受信できることに価値を感じる方も多いだろう。
本機は最大の特徴であるEメール使い放題は、パケット通信の導入によって実現している。従来Eメール送受信やコンテンツサービスは回線交換ベース(PIFAS)でデータ送受信を行っていたのだが、これをパケット通信に置き換えている。簡単にいえばAirH"化することでデータ通信サービス同様に低コスト化を実現したわけだ。 パケット対応に伴い、エッジeメール放題利用のユーザーではコンテンツサービスの通信料金も半額となる。これまでデータ量課金のiモードやEZWebに比較すると割高感があったが(正確にいえば時間課金ではのんびりアクセスできない)、これが大分軽減された。 反面、パケット対応によりEメールの送受信速度やコンテンツサービスでのデータ送受信速度は最大64Kbpsから最大32Kbpsへ低下した。AirH"32Kbpsパケットベースだとすれば、実質は受信が最大で27〜28Kbps程度、送信が最大16Kbps程度に低下することになる。時間課金であるコンテンツサービスの利用料金が50%オフになったのはある意味妥当だともいえる。 なおEメール送受信、コンテンツサービス共に従来通りの回線交換での利用も可能だ。ただしこの場合は利用料金も従来通りとなる。どうしてもメールを大量に早く受信したい、といった場合以外ではあえて回線交換を利用する意味はないだろう。
現在のところ本機でのみ利用できるエッジeメール放題だが、これまでEメールでも最大64Kbps接続による高速性をうたってきただけに、最大32Kbpsのパケット通信化は通信速度の低下が気になるところ。 ここでは(1)約1Kバイトのテキストのみのメールを100通連続受信、(2)添付ファイル付の93Kバイト(添付ファイルエンコード後)のメールの送受信に必要な時間をそれぞれ計測してみた。パケット通信、回線交換(PIAFS)でそれぞれ本体内、SDカードに保存した場合の4パターンをチェックした。SDカードはサンディスク製の64Mバイトを用いている。 比較のために前モデルとなる「KX-HV200」でも計測を行った。実質のメール受信速度が遅いという声も多かったからだ。またSDカードを保存先にした場合の速度低下も体感できるほど大きかった。本機ではこの点がどう改善されているかに期待する人も多いだろう。
[坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/2 | 次のページ モバイルショップ
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