XScale対応だけではない〜iPAQ Pocket PC「H3970」インプレッション(2/2)
H3900シリーズがほかのPXA250搭載製品と異なるのは、動作クロックの調整機能がなく400MHz固定という点だ。この点は、ほかのPXA250搭載デバイスが動作クロックの切り替え機能や自動調整機能を備えているため、見劣りする部分だ。 しかし現在のPocket PCにおいて最も消費電力が大きいのはバックライトやフロントライトだ。プロセッサを低クロック動作にしてバッテリー動作時間が格段に向上する可能性があるのはシリコンオーディオプレイヤーとして利用する場合程度だろう。現状ではPXA250の処理能力は400MHzでもStrongARM/206MHzとさほど変わらないため(6月26日の記事参照)、あえて低クロック動作を採用しなかったのではないかと思われる。 内蔵のバッテリーはリチウムポリマー充電池で、容量も1400mAhとH3800シリーズから変わっていない。プロセッサの動作クロックが400MHz固定だとバッテリー駆動時間が気になるところだ。 Windows Media PlayerでSDカード上のビットレート250KbpsのWindows Media Videoファイルを2時間連続再生して、H3970とH3870のバッテリー消費量を比較してみた。バックライトは半分の明るさに固定して点灯させ、ボリュームは4に設定した。 結果はH3970がバッテリー残量45%、H3870が34%。H3970のほうが20%ほどバッテリー駆動時間が長い計算になる。ただしH3870は、リリースから日が経っており、バッテリー性能が低下している可能性もあるため、あくまで参考値として見てほしい。
最新プロセッサ搭載にディスプレイの改善、さらに低価格化まで実現した「H3900」シリーズ。従来モデルからの改善点が、使いやすさや買いやすさにつながるところは魅力的だ。 Bluetoothも、PC用のBluetoothアダプタが入手しやすくなり、USB接続タイプを中心に価格も安くなったことから、日本でも使える機能になってきている。PLANEX製「GW-BH02」(市場価格5500円程度)を利用してみたところ、ファイル転送、ActiveSyncともに問題なく行えた。USB接続よりも通信速度は遅くなるが、PIM情報の同期だけならさほどストレスを感じることもない。
難点があるとすれば、ジャケットなしではCFスロットを利用できない点か。CFタイプのPHS一体型通信カードがモバイルインターネット接続の主流になりつつある日本ではつらい部分だ。CFカード対応のジャケットが直販で4800円とそれほど高価ではないが、コスト面の魅力は薄れてしまう。 ジャケットコンセプトを継承したH3900シリーズは、拡張性の高さがウリで、活用の幅は広い。質実剛健なモデルチェンジでますます魅力が増したことは間違いない。 関連記事 Pocket PC 2002とXScaleの相性はイマイチ? 最新のPocket PCデバイスでは、期待したほどの性能向上が見られないようだ。Pocket PC 2002が、最新のXScaleプロセッサに最適化されていないことがその原因だという XScale/400MHz搭載「iPAQ」新モデル 関連リンク 製品サイト [坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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