Mobile:NEWS 2002年10月31日 12:13 PM 更新

着せかえと光の融合〜「A1101S」をソニー・エリクソンが語る(1/2)

KDDI向けの最新端末「A1101S」は、背面全体が“光る”着せかえ端末。au初のアンテナ内蔵型で、直線を基調としたデザインも斬新だ。4機種目となる「着せかえケータイ」のコンセプトはどのようなものなのか

 背面全体が光る──という斬新な表現手段を備えた端末が間もなくKDDIから発売される。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「A1101S」だ(10月22日の記事参照)。

 “スペック表の数字が上昇したこと”を特徴とする新端末が多い中、これまでの携帯に全くなかった機能を盛り込んでくるのは同社ならでは。「今後はカメラ付きが基本」としてきたKDDIも、「A1101Sのように特殊な機能を持っているものは別」と言う。

 アンテナを内蔵し、これまでと異なる角形のフォルムに包まれたA1101S。ソニー・エリクソンにそのコンセプトを聞いた。

着せかえと光の融合

 「より五感に訴える、感性に訴えるということで、“光”を取り入れて、楽しい光や癒しの光など、理屈抜きで感情に訴えるイルミネーションができないか……と、この企画を暖めていた」と話すのは、A1101Sの企画を担当したソニー・エリクソンの高橋映里子氏。

 この時期の端末では、どうしても「カメラは?」と問いたくなるが、「カメラというコミュニケーションもあるが、違った切り口でのコミュニケーション」と、高橋氏はコンセプトを説明する。

 実は、携帯はコミュニケーションツールだという前提の元、カメラや通話、メール以外のコミュニケーションは何か? と考えた結果が、今回の機能につながった。デザインを担当した佐藤敏明氏は次のように言う。

 「ソニー・エリクソンであれば、機能は当たり前。それ以外の感性に訴えるコミュニケーションを試みていきたい。そのアイデアが、交換パネルであったり、今回の光る背面だったりする」。

 A1101Sの背面は、液晶ディスプレイのバックライトと似た仕組みで光るようになっている。ヒンジ近くに設置されたLEDが光り、導光版で背面いっぱいに光を導いている。これだけ派手に光ると電池のもちを心配する人もいそうだが、消費電力は着信ランプとさほど変わらないそうだ。「実際2個しかLEDは入れていない。効率的な導光版を使っている。効果ほどの電力消費はない」(佐藤氏)。

 瞬くような点滅から浮かび上がるような点灯、そして滑らかに色が移り変わる様は、丁寧に機能を作り込んだことを感じさせる。「何もないところは会社くらいで、普通はその場その場の情感を盛り上げる光が必ずある。エキサイトする光、安らぐ光……」と佐藤氏。A1101Sの光は、十分に意図通りの効果をあげているだろう。

「日替わり」という気持ちと「使い捨て」感覚

 A1101Sはau向けとして4台目の着せかえ端末となる。着せかえパネルのコンセプトもさらに一歩押し進め、「若年層により気軽にカスタマイズを楽しんでほしい」という意図を込めた。

 「3014S向けのメタルを貼ったパネルなどゴージャス感のあるものは、“学割層”のお小遣いではコレクションできない。また若年層はマインドとして凝ったものじゃなくて自分で作るほうを好む。『1枚で1500円』よりも『シート10枚パック』で800円のほうが楽しいという声もあった」(高橋氏)

 飽きたら捨ててもいい。誰もが交換パネルで遊んでほしい──。それが今回の着せかえパネルに込められたメッセージだ。しかし一方で、「C1002S」「A3014S」と互換性を保ってきたパネルの形状は変更されることに。

 「不安はいろいろなところからあった。シートにすることで高級感が失われるとか、従来のお客様への対応など……。しかし、シート状にしていけば裾野が広がっていく。違った価値観が見いだせる。作り的にも単純なので、値段も下がるし、誰もがカスタマイズ、交換パネルで遊ぶことができる」(佐藤氏)。


一見カジュアルな若者専用にも見えるA1101Sだが、パネルを変更するだけで、ここまでイメージが変わる。青(インフィニティシルバー)に付属するヘアラインイメージのパネル(ノーマル)を付けると、とてもシック。「フォルムの部分ではベーシックな形に。若年層にターゲットを絞って、コテコテのスニーカーのようなデザインにしてしまうと、半面、ビジネスシーンで使うとかシンプルな携帯がほしいという人たちのニーズに応えられない」(佐藤氏)

 さらに、着せかえコンセプトは中身まで進化した。A1101Sではメニュー画面などのデザインが複数用意され、パネルに合わせたものに変更できる。別売りのパネルを購入した場合も、メーカーサイト(SonyEricsson@ez)から24種類のメニューデザインをダウンロードできる。メニューのフォーマットのほうは公開されず、ユーザーが自由にカスタマイズはできないが、トータルコーディネイトできるのはうれしい仕様だ。

 こだわりはこれに留まらず、「メニューのデザインに合わせたフォントということで、時計表示を5種類に増やしている」とインタフェース周りのソフトウェアを担当した木暮香織氏は細かなところまでユーザーのカスタマイズの欲求に対応していることを説明してくれた。

[斎藤健二, ITmedia]

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