Mobile:NEWS 2002年10月31日 12:14 PM 更新

着せかえと光の融合〜「A1101S」をソニー・エリクソンが語る(2/2)


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デザインコンセプトは「好きな人に気に入ってもらうこと」

 「人は(携帯を)必要な機能で持っているわけではない。自分の洋服を着替えていくように、主義主張であったり、自分のスタイルを提示する場になっている」。

 佐藤氏はこう、最近の機能偏重に警鐘を鳴らす。高機能化が急速に進み、液晶やカメラのスペック、メモリ容量をアピールする端末が増える中で、自己主張できる端末は減ってきている。“機能よりもかっこいい端末を”と感じているユーザーも数多い。

 とはいえ、そう簡単に斬新なデザインの端末が作れるわけではないのも確かだ。NECが打ち立てた折りたたみ型の基本線を守り、薄型化・軽量化を進めれば確かに保守的なマスユーザーは取り込める。100万台規模で販売される携帯電話という商品は、極めて冒険がしにくいものだと多くのメーカーは語る。

 「店頭に行くと、よくメーカー名を見ないと分からない似たようなデザインのものばかり。同じようなキーレイアウトで似通ったヒンジの構造で……。ソニー・エリクソンは独自の商品の存在感を立ち上げなくてはいけない。敢えて冒険としてのデザインを表現した」(佐藤氏)。

 大きな曲面を使った背面のデザインはC1002Sでの冒険でもあった。しかし佐藤氏は、「最近、あの丸い形がいろいろなところに波及してきた」ことから、スクエアなラインを使ったデザインをA1101Sでは採用。アンテナも内蔵し、ヒンジ部も横側から見てもヒンジの見えない独自の形状を用いた。


光る背面をアピールするため、店頭でも実機を光らせてデモンストレーションする

「先端の感覚を持った人には受け入れられる」カラーバリエーション

 カラーバリエーションもチャレンジ意欲が溢れる。基調となるカラーは、青、オレンジ、黄緑の3つ。青はオーソドックスだが、ビビッドなオレンジと、黄緑は携帯としては斬新だ。

 「好き嫌いは分かれるところだが、もともとソニー・エリクソンのデザインコンセプトは、好きな人に気に入ってもらって、そこからフォロワーがついてくればいいというもの。マスを狙うというより、クラスターを狙ってブランドイメージを高めていきたい」(佐藤氏)。

 社内では、C1002Sよりさらに彩度を高めたオレンジが人気の様子。だが黄緑のほうも非常に珍しい色だ。「先端の感覚を持った人には(受け入れられるだろう)、黄緑とかは流行の色でもあるので。これから家電製品や自動車でも黄緑は増えてくるだろう」と佐藤氏。

 機能で比較した場合、A1101Sは最新機種として劣る部分は否めない。しかし、単に“安くあげるため”にカメラや背面カラー液晶を付けなかったわけではないのは明白だ。

 着せかえパネル、そして光る背面……。佐藤氏は「今回、この特異なデザインを敢えて企画のほうに伝えて実現した」と胸を張る。

 カメラが標準機能になっていくと、どうしてもデザインに大きなしわ寄せがいく。どの端末もどこか似たような外見になっていく中で、A1101Sのデザイン特化の姿勢は、“他人と違ったケータイがほしい”というユーザーに強くアピールするに違いない。



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関連リンク
▼ KDDI
▼ ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ

[斎藤健二, ITmedia]

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