Mobile:NEWS 2002年11月13日 08:56 PM 更新

対応端末100万台突破で可能性が〜携帯電話の動画広告

ムービー対応端末の登場で、携帯電話の広告も動画対応に向かおうとしている。au端末向け動画広告を手がけるエイワンアドネットは、「来週発表される新端末で100万台突破すれば可能性が見えてくる」と話した

 これまでテキストと画像が中心だったモバイル広告も、ムービー対応端末の登場により動画対応の動きが出ている。都内で開催されたモバイルアドフォーラム2002の講演に立ったエイワンアドネットのソリューション部長を勤める土井義浩氏が、動画広告の課題を語った。

課題は対応端末の数、通信料など

 エイワンアドネットは、KDDIがezmovie対応の端末を投入した2001年12月から動画対応広告「movie-AD」のトライアルを開始(2001年11月30日の記事参照)。2002年7月に正式版を発表し、10月には広告販売を開始した。

 トライアル版の動画広告は、1週間のショートストリーミング配信で通信費はユーザー負担、情報料無料で1回の閲覧が可能という仕組みになっていた。

 トライアルでクライアントから寄せられたのは、「パケット代を払ってまで動画広告を見るユーザーがいるのか」「ダウンロードに時間がかかって、ユーザーが途中で止めてしまうのではないか」「ダウンロードした動画は(ユーザーに)何回も見てほしい」「ダウンロード保証型商品があれば、パケット代をクライアント課金でも買いやすい」という声。

 そこで正式版では、通信費のユーザー負担をなくし、クライアントがショートストリーミング型とダウンロード型から選択できるようにした。また、掲載期間中の動画ダウンロードは1万回までの運用を含む形に変更された。

 今後の課題となるのは、対応端末の普及台数だと土井氏。50万−70万台出ているといわれるムービー端末が「来週発表される新しいムービー端末で、年内に100万台突破すれば」と新端末登場に期待を寄せる。

 通信料金についても、現状ではケータイで1つの動画広告をダウンロードするのに100円かかることを挙げ、さらなる低価格化が進まないと、クライアント側の負担が大きくなることを危惧した。

 なおau端末では、GPSのマスタークロック機能で(7月17日の記事参照)、端末の時刻表示に狂いが生じない。動画広告の著作権保護は、再生回数に制限をかける方法のほかに、有効な表示年月日を設定して期限が来ると見えなくなるような方法もとることが可能だ。

 土井氏は動画広告の発展をサポートするのは通信料金の低価格化や定額化、通信速度の高速化だと話す。さらなる高速化は、2003年春にも運用開始予定の「CDMA2000 1x EV-DO」において最高で2.4Mbpsの通信速度が実現(7月19日の記事参照)、コスト面でも高速オプションの無料化が検討されるなど、通信キャリア側の対応も進み始めている。



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関連リンク
▼ エイワンアドネット

[後藤祥子, ITmedia]

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