Mobile:NEWS 2003年1月10日 11:56 AM 更新

「Nokia 9210i Communicator」、日本語環境の使い勝手を試す(2/2)


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「9210i」アプリ上での日本語環境の使用感は

 「9210i」は、8つのアプリケーションキーをそれぞれ押すことで利用するアプリを切り替えられる。このなかの主要なアプリケーションで日本語環境を実際に利用してみた。

  • 「Messaging」

 「Messaging」は、「9210i」と外部とのメッセージのやり取りをするアプリケーション。赤外線経由で受信したファイルや、PCとのシンクロによるPC経由メールの保管などができる。メールアカウントを設定すれば、POP3またはIMAP4で電子メールの送受信が行えるが、GSM方式以外のエリア(すなわち日本)では、「9210i」単体でのメールの送受信はできない。

 「UniFEP for Communicator」のインストールによって、日本語でメールの送受信が可能になる。とくに重宝しそうなのは携帯電話同志のショートメッセージ「SMS」の日本語による利用だ。「UniFEP for Communicator」をインストールした「9210i」どうしなら日本語でSMSの送受信が可能になる。

 余談ではあるが、J-フォンの3Gサービス「Vodafone Global Standard」(2002年12月3日の記事参照)のUSIMカードを「9210i」に挿入し、GSM方式のエリアで国際ローミングで利用できると思われる(2002年12月20日の記事参照)。J-フォンでは、対応端末なら日本語によるSMSの送受信が可能としているので、理屈の上ではGSM方式のエリア内の「9210i」とも送受信ができることになる。日本にいるJ-フォンやツーカーユーザーに対しても日本語でSMS(対スカイメール)の送受信ができるはずだ。

 なお、PCとシンクロさせて利用する場合、Outlookのメールデータを共有することが可能。通信機能が利用できない日本で「9210i」を使用する場合は、この使い方のほうが一般的であろう。


メール作成画面

  • 「Contacts」

 「Contacts」は住所録で、画面左側には登録されている名前の一覧が表示され、カーソルで選択した内容が画面右側に表示される。各項目を選択すると、その項目に対応したアクション、すなわち電話番号なら発信操作が、電子メールアドレスならメール作成へと簡単にジャンプできる。

 Outlookの「連絡先」とデータをシンクロさせることができ、「UniFEP for Communicator」がインストールされていれば、「9210i」にシンクロさせた連絡先データを日本語で表示させられる。


この手のPIMソフトウェアは日本語が使えなくては魅力がない


Contactsのデータからそれぞれメッセージやメールが簡単に新規作成可能

  • 「Calendar」

 「Calendar」は、月間表示や週間表示などに切り替えられるカレンダー。これもOutlookの「予定表」とリンクさせることができ、「UniFEP for Communicator」のインストールによって外出先でのスケジュール確認や、追記、変更などが日本語で行えるようになる。


月表示の例(上)。週表示の例(下)

  • 「Office」

 「Office」は、「Word Processor」「Sheet」「Presentation viewer」そしてエクスプローラの役割を果たす「File manage」の機能を持つアプリケーションだ。

 「Word Processor」は、書式の設定も可能なワープロアプリ。Word形式で保存したデータをPCで読むことができ、Wordのデータもそのまま「Word Processor」で開くことが可能。「Sheet」は表計算ソフトで、これも保存時にExcel形式にすれば、Excelでデータを扱える。簡単なグラフも描画可能だ。

 PCとデータ交換する際に注意したいのは、「Word95」「Excel95」形式のデータでは文字化けが生じてしまうこと。これは95形式がUnicodeに対応していないためだ。日本語を利用する場合は、97形式または2000形式でデータをやり取りする必要がある。

 「Presentation viewer」はPowerPointと互換のあるプレゼンテーションアプリケーション。PCのPowerPointで作成したドキュメントを閲覧することができる。図形などは表示できないものも多かったが、日本語テキストの表示は問題なく内容を確認することができた。


表計算も簡単。簡単なグラフも描画できる


保存形式はオリジナルのほか、95、97、2000を選択できる。このうち95は日本語表示でエラーが出るので注意


PowerPointで作成したデータを表示可能である


File manageでファイルを一覧表示。PCで作成したファイに日本語でファイル名をつけていたものを「9210i」にコピーしても、ファイル名は文字化けすることなく表示できる

  • 「Internet」

 HTMLとWAPの両方を表示可能なブラウザで(2002年3月13日の記事参照)、フレーム表示やJavaScriptにも対応。「UniFEP for Communicator」を導入することで、特に設定をすることなく、シフトJISの日本語ページが表示可能になる。

 日本はGSM圏内ではないためインターネットアクセスは試せなかったが、HTMLファイルを「9210i」本体にコピーし、ブラウジングさせてみたところ、ご覧の通りZDNetのWebページも問題なく閲覧できた。


フレーム表示も可能なWebブラウザ

ワールドワイドに使いこなせるPDA一体型携帯電話9210i

 GSM方式の携帯電話が利用可能なエリアでの使用が前提となっていた「9210i」だけに、英語が標準仕様ながらも、NokiaのWebサイトにあるSoftwareMarketから、「9210i」専用のさまざまな言語のランゲージパックなどをダウンロードし、利用することも可能だった。

 今回日本語環境ソフトウェアが登場したことにより、日本のビジネスマンにとっても「9210i」が強力な武器となる日がやってきたことになる。PDAは、通信機能が伴わなければ利用価値も半減するが、「9210i」ならば、海外ではどこにいても簡単にネットアクセスでき、しかもバイリンガルにPDAを使いこなすことができる。

 高機能で使いやすい「9210i」がGSM圏内でしか利用できないのは本当に残念。ノキアでは、今後もPDC仕様の予定はないとしているが、いずれ9210iの上位機種としてW-CDMA方式にも対応したモデルが開発される可能性は考えられる。そうなれば、NTTドコモやJ-フォンのネットワークでも利用が可能になるかもしれない。多くのCommunicatorファンが、そんな日がくるのを待ち望んでいる。



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関連リンク
▼ エヌフォー
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[木暮祐一, ITmedia]

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