「Nokia 9210i Communicator」、日本語環境の使い勝手を試す(2/2)
「9210i」は、8つのアプリケーションキーをそれぞれ押すことで利用するアプリを切り替えられる。このなかの主要なアプリケーションで日本語環境を実際に利用してみた。
「Messaging」は、「9210i」と外部とのメッセージのやり取りをするアプリケーション。赤外線経由で受信したファイルや、PCとのシンクロによるPC経由メールの保管などができる。メールアカウントを設定すれば、POP3またはIMAP4で電子メールの送受信が行えるが、GSM方式以外のエリア(すなわち日本)では、「9210i」単体でのメールの送受信はできない。 「UniFEP for Communicator」のインストールによって、日本語でメールの送受信が可能になる。とくに重宝しそうなのは携帯電話同志のショートメッセージ「SMS」の日本語による利用だ。「UniFEP for Communicator」をインストールした「9210i」どうしなら日本語でSMSの送受信が可能になる。 余談ではあるが、J-フォンの3Gサービス「Vodafone Global Standard」(2002年12月3日の記事参照)のUSIMカードを「9210i」に挿入し、GSM方式のエリアで国際ローミングで利用できると思われる(2002年12月20日の記事参照)。J-フォンでは、対応端末なら日本語によるSMSの送受信が可能としているので、理屈の上ではGSM方式のエリア内の「9210i」とも送受信ができることになる。日本にいるJ-フォンやツーカーユーザーに対しても日本語でSMS(対スカイメール)の送受信ができるはずだ。 なお、PCとシンクロさせて利用する場合、Outlookのメールデータを共有することが可能。通信機能が利用できない日本で「9210i」を使用する場合は、この使い方のほうが一般的であろう。
「Contacts」は住所録で、画面左側には登録されている名前の一覧が表示され、カーソルで選択した内容が画面右側に表示される。各項目を選択すると、その項目に対応したアクション、すなわち電話番号なら発信操作が、電子メールアドレスならメール作成へと簡単にジャンプできる。 Outlookの「連絡先」とデータをシンクロさせることができ、「UniFEP for Communicator」がインストールされていれば、「9210i」にシンクロさせた連絡先データを日本語で表示させられる。
「Calendar」は、月間表示や週間表示などに切り替えられるカレンダー。これもOutlookの「予定表」とリンクさせることができ、「UniFEP for Communicator」のインストールによって外出先でのスケジュール確認や、追記、変更などが日本語で行えるようになる。
「Office」は、「Word Processor」「Sheet」「Presentation viewer」そしてエクスプローラの役割を果たす「File manage」の機能を持つアプリケーションだ。 「Word Processor」は、書式の設定も可能なワープロアプリ。Word形式で保存したデータをPCで読むことができ、Wordのデータもそのまま「Word Processor」で開くことが可能。「Sheet」は表計算ソフトで、これも保存時にExcel形式にすれば、Excelでデータを扱える。簡単なグラフも描画可能だ。 PCとデータ交換する際に注意したいのは、「Word95」「Excel95」形式のデータでは文字化けが生じてしまうこと。これは95形式がUnicodeに対応していないためだ。日本語を利用する場合は、97形式または2000形式でデータをやり取りする必要がある。 「Presentation viewer」はPowerPointと互換のあるプレゼンテーションアプリケーション。PCのPowerPointで作成したドキュメントを閲覧することができる。図形などは表示できないものも多かったが、日本語テキストの表示は問題なく内容を確認することができた。
HTMLとWAPの両方を表示可能なブラウザで(2002年3月13日の記事参照)、フレーム表示やJavaScriptにも対応。「UniFEP for Communicator」を導入することで、特に設定をすることなく、シフトJISの日本語ページが表示可能になる。 日本はGSM圏内ではないためインターネットアクセスは試せなかったが、HTMLファイルを「9210i」本体にコピーし、ブラウジングさせてみたところ、ご覧の通りZDNetのWebページも問題なく閲覧できた。
GSM方式の携帯電話が利用可能なエリアでの使用が前提となっていた「9210i」だけに、英語が標準仕様ながらも、NokiaのWebサイトにあるSoftwareMarketから、「9210i」専用のさまざまな言語のランゲージパックなどをダウンロードし、利用することも可能だった。 今回日本語環境ソフトウェアが登場したことにより、日本のビジネスマンにとっても「9210i」が強力な武器となる日がやってきたことになる。PDAは、通信機能が伴わなければ利用価値も半減するが、「9210i」ならば、海外ではどこにいても簡単にネットアクセスでき、しかもバイリンガルにPDAを使いこなすことができる。 高機能で使いやすい「9210i」がGSM圏内でしか利用できないのは本当に残念。ノキアでは、今後もPDC仕様の予定はないとしているが、いずれ9210iの上位機種としてW-CDMA方式にも対応したモデルが開発される可能性は考えられる。そうなれば、NTTドコモやJ-フォンのネットワークでも利用が可能になるかもしれない。多くのCommunicatorファンが、そんな日がくるのを待ち望んでいる。 関連記事 ノキア・ジャパン、PDAタイプの「Nokia 9210i」など2機種を発売 ノキア・ジャパンは、海外利用の多いユーザー向けに、トライバンド対応のGSM携帯電話「Nokia 7210」と、PDA機能搭載の「Nokia 9210i Communicator」を発売する エヌフォー、「Nokia 9210i」向け日本語環境ソフトを開発 エヌフォーは、NOKIA製のSymbian OS搭載でキーボード付きのPDA型通信端末「Nokia 9210i」向けの日本語環境ソフトを発表した。近くプレビューリリース版の先行販売を行う 「Nokia Store」をひと足さきに体験 ノキア・ジャパンが6月28日にオープンする「Nokia Store」。GSM携帯電話のレンタルや販売、ノキアグッズの販売を行うショップとして東京シティ・エアターミナルに第1号店が誕生する。プレス向けの先行公開では海外向けノキア製の端末に触れることができた ノキア、Symbian OS搭載のGSM端末「9210i」を日本で発売予定 ノキア・ジャパンはGSM端末「9210i」と「7210」を、日本国内で第4四半期にも発売する予定だ。Symbian OS搭載の「9210i」は日本語化キットの提供の可能性もある Nokia製携帯電話一体型PDA「9210i」のブラウザに、Operaを採用 関連リンク エヌフォー ノキア・ジャパン [木暮祐一, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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