Mobile:NEWS 2003年2月3日 07:12 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ〜ドコモ「P251iS」「D251iS」(1/2)

パナソニック モバイル初の251iシリーズ端末「P251iS」、メモリースティックDuo対応で、マイナーバージョンアップした「D251iS」。これら新端末のカメラ画質をチェックした

 ドコモの251iSシリーズも相次いで新端末が投入されている。504iSシリーズとの違いはiアプリが使えるかどうかだけという感じで、見かけ上の違いはどんどんなくなりつつある。

 メーカーとしてはどう差別化しているのか。今回の2機種を見る限りでは、最先端でハイテクっぽい「504iS」に対して、ポップで若者向けなのが「251iS」という印象だ。

 ともあれ、カメラとしての性能をいつも5つのポイントでチェックしてみよう。

 今回は31万画素CCDカメラの「P251iS」(1月22日の記事参照)、17万画素CCDカメラの「D251iS」(1月22日の記事参照)だ。

1)撮ってからそれを送るまでの使い勝手はいいか
2)屋外での画質はいいか
3)室内での画質はいいか
4)暗いところでも撮れるか
5)その端末ならではのユニークな機能はあるか


左が31万画素CCDの「P251iS」、右が17万画素CCDの「D251iS」

基本的な使い勝手とカメラ機能

 「P251iS」も「D251iS」もオーソドックスなカメラ付き携帯電話。ただし性能や扱いは両者でけっこう異なる。

 「P251iS」は「P504iS」に対して徹底的に異なったテイストでデザインされている。丸みを帯びたデザインやポップな書体を使って若い層にアピール。「P504iS」では2つ搭載されたカメラも本機では1つになっており、ボタンも最小限にとどめられている。

 その分カメラの起動はちょっと分かりにくい。サイドのカメラボタンを長押しするか、メニューからカメラを選ぶ必要がある。

 さらに撮った写真を再生するときは「メニュー」-「アクセサリ」-「マイピクチャ」とたどらねばならないし、サムネイル表示機能もないのだ。これはちょっと残念なところである。

 撮影サイズはiショットS、iショットLに加えて、スクリーンとサブスクリーンの4つ。VGAやQVGAのモードはない。

 対して「D251iS」は、カメラ機能を重視した作りになっている。フリップを開くと独立したカメラボタンがあり、それを押すとまず「撮る」「見る」「カメラ設定」のメニューが出る。カメラ関連の機能がまとめられていて分かりやすい。「撮る」を選ぶとカメラが起動する。一見、1ステップ多そうだが、使ってみると反応が早いのでストレスもなく、実によい。

 メニューからカメラを起動するときは、「メニュー」-「ビジュアル」-「カメラ」-「撮る」と、ちょっとステップ数が多いが、大抵はカメラボタンを使うだろうから気にはならない。

 再生も快適。「見る」を選ぶと、画面に4×3の12枚分のサムネイルが一度に表示されるのだ(アルバム表示にした場合)。表示も非常に速く、その写真の撮影モードがアイコンで表示されるのも分かりやすい。これはなかなか評価できる。

 撮影サイズはiショットS、iショットLに加えて、壁紙、QVGA、VGAの5つと本格的だ。

基本画質のチェック

 今回も残念ながら曇天下だったが、こればかりは仕方がないので、3パターン用意してみた。いずれもiショットLで撮影したものである。


左が「P251iS」、右が「D251iS」

 まずはリスの置きもの。「P251iS」は、遠くのディテールは怪しげだが、彩度が非常に高くて色はあざやかである。「D251iS」は、近距離がボケる傾向にある。

 携帯電話のカメラはどれも「固定フォーカス」式で、近距離から遠距離まで全体にピントが合うようになっている(パンフォーカスという)。カメラの特性上、受光部が非常に小さいので本格的なデジカメやフィルムカメラよりピントの合う範囲が非常に広く、固定フォーカスでも近くから遠くまでピントが合うのだ。

 しかし「D251iS」は、ほかのカメラ付き携帯電話に比べて、近距離の被写体がボケる傾向にあるようだ。近いものを撮るときは気を付けた方がいいかもしれない。発色はこちらも色鮮やかでなかなかきれいである。


左が「P251iS」、右が「D251iS」

 続いて象のすべり台。暗い色の地面と明るい色の空が同時にフレームに入るという構図だが、どちらもきちんと色が出ていて好感が持てる。ただ色のバランスは「P251iS」のほうがいい。地面の色を見ると分かるが、「P251iS」はちゃんと「土の色」をしているのに対し、「D251iS」はやや青っぽい。


左が「P251iS」、右が「D251iS」

 最後は時計塔。撮影条件は同じだが、「P251iS」の方はちょっと露出アンダーだけど雲の間のわずかな青を捉えて空っぽい色に仕上げている。D251iSはそれに比べると素直な発色で、露出も適正。

 どちらも屋外の撮影はなかなかのものだ。

室内でも画質をチェック

 まずは蛍光灯の下で瓶や缶を並べて撮ってみた。こちらは両者で撮影日が違うので、微妙に並んでいる瓶や缶が異なるが、照明の条件は同じなのでそのまま比べてもらって構わない。


左が「P251iS」、右が「D251iS」

 「P251iS」は、もうわざとらしいほどきれいに撮れている。背景が白いと露出アンダーになりがちなのだが、そうはならず非常に色鮮やかである。携帯電話のカメラは、このくらいわざとらしくていいと思う。正確な写真より気持ちいい写真が求められるのだ。「D251iS」は極めて一般的な写りでちょっと露出アンダー気味であるが色のバランスは悪くない。

 次に同じシチュエーションで白熱灯で撮影してみた。
左が「P251iS」、右が「D251iS」

 「P251iS」は、微妙に白熱灯の赤みが残っているが、「D251iS」は、ホワイトバランスがちゃんと補正されている。これはどちらがいいかは好みとシチュエーションによるのでなんともいえない。

[荻窪圭, ITmedia]

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