BREWがもたらした、リアルタイム情報配信〜エキサイト速度アップともう1つ、プッシュ配信が可能なのが、BREWの大きなメリットだ。BREWならではの機能を使って、野球とサッカーの情報をリアルタイムに配信するのが、エキサイトが提供する「実況エキサイト・スポーツ!」である
KDDIのBREW端末「A5304T」が21日に発売される(1月29日の記事参照)。BREWには数々の特徴があるが、中でもJavaと大きく異なるのはサーバからのプッシュ配信に対応していることだ。 BREW対応アプリケーション第一弾の中でも、このプッシュ配信を活用したのが、エキサイトが提供する「実況エキサイト・スポーツ!」。プロ野球とJリーグのサッカー情報を、リアルタイムで携帯に配信する。
同じCPUで動かした場合、Javaよりも高速に動作すること。JavaとBREWを比べた場合、それが大きな違いの1つ。もう1つは、ネットワーク周りの自由度が高い点だ。 「プッシュでデータを投げられるのが大きな点だ」とエキサイトで今回のアプリケーションを担当した今野英郎氏(webアプリケーション&サービス事業部webアプリケーショングループ事業開発マネージャー)。 「実況エキサイト・スポーツ!」は、野球の場合1球ごとの結果速報を、サッカーの場合攻守が入れ替わるたびのイベント速報を、サーバからプッシュで配信する。同じことをJavaで行おうとしたら、定期的にアプリケーションがサーバに更新をチェックしにいかなくてはならない。「例えば15秒間隔の更新だと、最大14秒の空白が生まれてしまう。プッシュならばリアルタイムだ」(今野氏)。 イメージとしては、「いわゆる中継」(今野氏)だと思えばいい。ユーザーがその都度サーバに情報を取りに行くのではなく、サーバから同じデータが一斉に届く感じだ。 サービスの実際の流れはこうなる。メニューに用意されるのは、「テレビ番組表」「ニュース」「野球」「サッカー」の4種類。野球やサッカーを選択したら、次に見たい試合を選ぶ。野球は、セ・パ公式戦、オールスター戦、日本シリーズ、マスターズリーグ。サッカーはJ1リーグ戦とカップ戦、JOMOオールスターサッカーなどが配信される。
サービスの中心となるのは、野球とサッカーのリアルタイム情報配信。野球では1球ごとに、サッカーでは攻守が入れ替わるたびに、新しい状況がサーバから送信され、グラフィカルに画面に表示される(それぞれ画面はサンプル)
野球の画面。各選手の打率、打点、ホームラン数も表示される
サッカーの画面。中央にあるのは勢力グラフ。どちらが押し気味なのかが一目で分かる
エキサイトが今回BREWアプリケーションを提供するのは、1つには「WAPとかcHTMLという普通のサイトでは、埋もれてしまうのではないか」(今野氏)という意識があってのことだ。まだ未知数のBREWだからこそ、早いスタートが成功につながる可能性が高い。 携帯コンテンツ市場は、参入のタイミングが難しい。市場が立ち上がる前の初期に参入した企業は、当たれば得られるものも多い。収益が確実に見込めるまでに市場が拡大してからでは、既に遅すぎた……ということもしばしばだ。 携帯向けアプリケーション市場参入競争は、ことKDDIにおいてはBREWの登場でいったんリセットされたかっこうだ。既にJavaサービスを提供しているが、KDDIは今後BREW対応端末を増やしていく方針。1-2年をかけてJavaからBREWに主流が移っていくと予想される。 今野氏は国内だけでなく海外市場も狙っている。KDDIは韓国KTFや中国の中国連合通信(チャイナユニコム)、米Qualcommと4社で、BREWを相互に流通させる仕組み作りを始めている(1月28日の記事参照)。今でこそ、BREW端末は1機種に過ぎないが、海外マーケットの広がりまで含めれば魅力的な市場だ。「海外にBREWアプリケーションを出していきたい」(今野氏)。 また、携帯向けのポータルサイトエキサイトモバイルの強化も想定中だ。「(HTMLベースの)スタティックなページではできないこともある。アプリ版を作っていくのもいい。動画広告やECで商品を見せたり、エキサイトメールやインスタントメッセンジャーなど、応用はいくらでもある」(今野氏)。
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